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VOL.2 家族の時間と野菜スープ料理研究家 野口真紀さん 東京都世田谷区

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子どもたちのカラダ作りと健康を考えながら、温かい食事の思い出を残したい

「食卓が華やぐと子どもたちの気分も上がります。『食べることの楽しさ』を伝えていきたい」

いろいろな街でいろいろな人のライフスタイルと出会う、サーモス日和。最近気になることのひとつは、いろいろな人たちのライフスタイルと食のかかわりだ。「食べること」とみんなは、どう向き合っているのだろう。

雑誌編集者から料理研究家の道へ

育ちざかりの2人のお子さんのママとして忙しい日々を送りながら、雑誌、書籍などでレシピを発表している野口真紀さん。栄養や健康に配慮した主婦の目線から生まれる家庭料理が、多くの女性から支持されているが、料理の世界に入ったそもそものきっかけは、雑誌編集者としての経験だったという。
「短大卒業後、雑誌の編集者として活動していました。料理研究家の先生のところにもたくさん取材に行かせてもらい、6〜7年経ったころ、私は文章を書くことよりも、料理を考えたり、作ったりするほうが好きなのかもしれない、と思うようになったんです。文章は書いていくうえで正解がなく、何が正しいのか分からなかったのですが、料理は全体のバランスは大切ですが、目指すものが『おいしさ』なので、分かりやすかったということもありますね」

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料理上手のおばあさまやお母さまの影響で、料理やお客さまをもてなすことが好きだったこともあり、一念発起して調理師専門学校へ入学する。「1年間、料理の基礎を学びました。まわりは現役の若い学生たちばかりでしたが、楽しかったです」。専門学校卒業後には、自宅に知り合いの編集者を招いて料理を食べてもらい、料理研究家としての活動が始まる。「私の食のルーツである95歳の祖母は、母が子どものころから、洋食やオーブン料理、ケーキなど、なんでも手作りしていた人でした。母もその味を受け継いでいたので、自然と食べることが好きになりましたね。私のレシピは、ほとんど家族のために作る毎日の食事から生まれたものですが、祖母や母から受け継いでいる味も多くあります」

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家で食事をした思い出を残したい

料理研究家として初めて手掛けた料理本は、長女うたちゃんのために作っていた離乳食とスープ作りの経験を生かした『はじめてのごはん―こどもといっしょに食べる』と『はじめてのスープ―こどもといっしょに食べる』。瓶詰めやレトルトに頼りがちな離乳食やスープを、大人が食べる料理と同じ素材で作ることを提案したレシピ集だ。絵本のように子どもと一緒に見てほしいとの思いから、判型(本のサイズ)を当時人気の絵本と同じにしたという。
今では、子どもが喜ぶ料理、おもてなし料理、お酒の大好きな野口さんならではのおつまみなど、さまざまな料理本が刊行されているが、すべての本に込めている思いは「家で食事をする思い出を大切にしてほしい」ということ。 「私自身も自宅で家族と一緒に食事をしたことが楽しい思い出として残っていますし、長女のうたが外食があまり好きでないこともあり、家で食卓を囲むことを大切にしています。それほど凝った料理ではなく、冷蔵庫にある食材でちゃちゃっと作った手軽な料理であっても、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに味わってほしいので。子どもたちと公園などに出かけるときも、保温・保冷機能付きのジャーに食卓の味をそのまま詰めて出かけています」

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押し麦と野菜のスープ/玉ねぎ、にんじん、セロリ、じゃがいも、スナップえんどう、ベーコン、押し麦入り。材料をオリーブオイルで炒めて、水からことこと煮込み、仕上げに塩、こしょう、バターで調味している。「冷蔵庫の残り野菜や季節の野菜などで作る野口家定番の家庭料理です。野菜やベーコンのうま味を活用しただしいらずのスープで、押し麦入りのボリュームのある一品として喜ばれています」

白玉入りフルーツポンチ/いちご、みかん(缶詰)、キウイ、バナナ、さくらんぼ、白玉入り。それぞれ一口大に切ってボウルに入れ、みかんの缶詰のシロップと氷を加えて、ゆでた白玉を浮かべる。「子どものテンションが上がるデザートで、分量を気にせずに作れるのもうれしいところ。夏にはすいかやメロンを加えても合います。スープジャーは、スープだけでなく、冷たいデザートにも役立つので重宝しています」

季節の野菜のおいしさに目覚める

野口さんの料理は、和・洋・中・エスニックとジャンルが幅広く、野菜がたっぷり食べられるレシピが多いことでも好評を得ている。野菜を献立の主役にするようになったのは、栄養バランスを考えてのこともあるが、ある野菜との出合いによってそのおいしさに目覚めてから。
「まだ編集者時代のこと。代官山に精進料理のお弁当を売りに来ているお坊さんがいて、その野菜があまりにおいしかったので、思わずどこの野菜を使っているのか聞いてしまったんです。千葉・成田の『小泉循環農場』という農場の有機野菜だと知りました。種はなるべく自家採取のものを使っていて、落ち葉堆肥や米ぬか発酵肥料で育てられた野菜で、料理研究家になった今でもここの野菜を取り寄せています。収穫したての旬の野菜の詰め合わせが届くようになって、野菜中心の食事になりましたね。子どもたちがスポーツをしているので、カラダ作りに大切なタンパク質も取り入れつつ、豆類や海藻なども加えたバランスのいい献立になるように心がけています」

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家族と過ごす時間が何よりも大切

「今は、子どもと離れて一人で過ごす時間はほとんどない」という野口さん。編集者時代と違って、自宅で仕事(料理の試作、撮影など)をすることが多いので、仕事の時間と子どもの習い事の送迎、食事作りをやりくりしながら、家族との時間を大切にしているそうだ。
「夜遅くまで残業していた編集者時代と比べて、忙しいのは変わりませんが、断然規則正しい生活ができていますね。朝ご飯を食べて、子どもたちを学校へ送り出してから、近くの公園まで6キロちょっとのジョギングに出ることもあります。料理撮影があるときは、午前中のうちに車で食材を買いに出かけ、午後1時ぐらいから夕方まで撮影をし、撮影が終わったら子どもたちの習い事の送迎をします。一息つく夕方ぐらいからワインを楽しむのが、毎日の気分転換でしょうか」。学校が休みのときには、長男のたお君もジョギングに参加するのだが、公園までの往復は自転車(!)だそう。体型維持のために始めたジョギングが、子どもたちとのコミュニケーションにも役立っているようだ。

日々、家族と食べ物から 元気をもらっている

高校1年生の長女と、小学校2年生の長男を育てる野口さんにとって、ママ友とのお付き合いも大切な時間であり、楽しみのひとつ。
「近所のママ友とは、子どもたちと一緒に家を行き来したり、居酒屋などで食事をすることもあります。『白玉入りフルーツポンチ』は、そんな家での集まりのときに喜ばれている超簡単なデザートです」
仕事柄「普段はずっと料理ばかり作っている」と話すが、料理研究家という仕事と子育てを両立することで、多忙でありながらも四季の移ろいに触れる機会がより増しているとも。「学校には季節に応じた行事や休みがありますし、食材を買いに出かければ、スーパーの野菜売場で旬を感じることができます。なかでも家族と過ごす長期休暇は、キッチンからしばし離れて思いっきり遊べる貴重な時間。旅先のおいしいものもたくさん食べて、家族と食べ物から元気をもらっています」。笑顔の絶えない野口さんのパワフルのみなもとは、オンもオフも充実させているからこそなのだろう。
忙しい仕事の合間をみつけていそしむ保存食作りも、毎年恒例の季節の仕事。「祖母や母も作っていた梅酒を漬けたり。子どもたちが好きなのは、パイナップルや梅を氷砂糖と酢で漬けたシロップ。これからの季節は、冷やした炭酸水で割るとおいしいんですよ。料理研究家になったとき『10年続けばいいかな』なんて思っていましたが、家族のために作ってきた料理のおかげもあって今も続いている。さらにあと10年がんばろうと思います」

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野口 真紀(のぐち・まき)さん

VOL.02 家族の時間と野菜スープ 料理研究家 野口 真紀(のぐち・まき)さん

料理研究家。料理雑誌の編集者を経て、料理研究家に。雑誌、書籍、テレビなどでおしゃれで作りやすいレシピを発表している。高校1年生の長女、小学校2年生の長男、写真家の夫の4人家族。丁寧な暮らしぶりもファンが多い。『はじめてのごはん―こどもといっしょに食べる』『はじめてのスープ―こどもといっしょに食べる』(共にアノニマ・スタジオ)、『やさしいたのしい野菜の蒸し料理』(エクスナレッジ)、『おいしい毎日 おしゃれな明日』(KADOKAWA)、『きょうのサラダ』『オーブン料理 とっておき』(共に主婦と生活社)など著書多数。

LOCATION 東京都港区

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PHOTOS:SHIN-ICHI YOKOYAMA

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