野沢菜を愛してやまない蓮池です。
長野県北信・栄村では、晩秋は冬支度で忙しくなります。
長野県北信・栄村では、晩秋は冬支度で忙しくなります。
冬支度は、大根干し、干し柿、雪囲い、そして野沢菜漬など雪が降る前にする仕事の多いこと。
さて私の野沢菜愛は年々加速していて、今年は「雪国たべごと研究室」の仲間たちとともに、ついに300kgもの野沢菜を漬けました。まさに野沢菜漬け大会。
さて私の野沢菜愛は年々加速していて、今年は「雪国たべごと研究室」の仲間たちとともに、ついに300kgもの野沢菜を漬けました。まさに野沢菜漬け大会。
「野沢菜300kgも漬けるのかい!」
と、栄村のおばあちゃんたちが驚くほどの量。驚かれつつも、風土の味を守っていることを褒められたような気持ちになって、とても嬉しくなるのです。
—たった3つの材料。風土にゆだねる漬け仕事
野沢菜漬けには重石が欠かせません。重石の基本は漬ける野沢菜の2倍量。つまり今年は600kgの重石です。思わず笑ってしまう重さです。購入すると比較的高い重石ゆえ、参加メンバーが河原に行って拾ってきてくれました。
家庭によって漬け方はさまざまですが、私たちが本漬けにする野沢菜の材料は至ってシンプル。材料は、野沢菜・塩・唐辛子のみ。昆布も醤油も入れません。
と、栄村のおばあちゃんたちが驚くほどの量。驚かれつつも、風土の味を守っていることを褒められたような気持ちになって、とても嬉しくなるのです。
—たった3つの材料。風土にゆだねる漬け仕事
野沢菜漬けには重石が欠かせません。重石の基本は漬ける野沢菜の2倍量。つまり今年は600kgの重石です。思わず笑ってしまう重さです。購入すると比較的高い重石ゆえ、参加メンバーが河原に行って拾ってきてくれました。
家庭によって漬け方はさまざまですが、私たちが本漬けにする野沢菜の材料は至ってシンプル。材料は、野沢菜・塩・唐辛子のみ。昆布も醤油も入れません。
仕込みから2日ほどで水が上がるかどうかが最大の山場。
水さえ上がれば、ほぼ成功です。
その後は重石を軽くして、野沢菜がしっかり汁に浸かる状態に調整します。
ここからは、冬に託す時間。
根雪(溶けない雪)となり、樽の表面に薄い氷が張る1月下旬頃——ようやく完成です。
野沢菜漬け大会の賄いには、野沢菜の即席漬け(醤油、酢、砂糖で味付け)も登場しました!
水さえ上がれば、ほぼ成功です。
その後は重石を軽くして、野沢菜がしっかり汁に浸かる状態に調整します。
ここからは、冬に託す時間。
根雪(溶けない雪)となり、樽の表面に薄い氷が張る1月下旬頃——ようやく完成です。
野沢菜漬け大会の賄いには、野沢菜の即席漬け(醤油、酢、砂糖で味付け)も登場しました!
—この味は「雪」がつくる だけではなかった!
塩分は控えめの2.3%。それでも美味しく仕上がるのは、やはり風土の力。
2〜3メートルの雪が積もる寒さが、じんわりと野沢菜の甘さと旨みを引き出してくれます。
私は長らく「湿度を含んだ雪国の寒さこそが、この味の秘密」と思っていました。けれど、それだけではないと気づいたのは、栄村から山をひとつ越えた上越の安塚町を訪れたときのこと。
地元のお母さんが教えてくれました。
「安塚の野沢菜はおいしくならないから、山を越えて飯山まで買いに行くんだよ〜」
車でたかが30分の距離で野沢菜の味が変わる。
まさに“風土”が料理をしているのだと実感しました。
美味しい生の野沢菜は、霜にあたり甘味が増し、ほどよく柔らかく、少しぬめりがあるもの。
安塚の野沢菜は固く、ぬめりが出ないのだそうです。
—野沢菜の食べ方も土地ごとに
土地が違えば野沢菜の“食べ方”も異なります。
安塚で誰もが口を揃えて言う定番料理は「野沢菜の粕汁」。味噌と酒粕の汁に、刻んだ野沢菜の葉を入れるもの。日本酒文化(雪中梅の)が息づく土地らしい汁物で、この冬はぜひ作ってみようと思っています。
―余計なことをしない美味しさ
風土が料理人。とは尊敬する方の言葉であり、料理をする上で大事にしていることです。
土や風や水が、山菜、きのこ、野菜、米をおいしくする——
野沢菜も同じ。
だからこそ、余計なものは加えず野沢菜も塩と唐辛子だけ。
1年に1度しか作れない野沢菜。今年の出来上がりが、今から心底から楽しみです。
「こんなにも美味しい野沢菜を、もっと多くの人に味わっていただきたい」という思いから、この冬も野沢菜のお裾分け便を企画しております。オンラインで開催する野沢菜料理教室の参加者の皆さまには、野沢菜をお届けする予定です。
また、都内での野沢菜ポップアップイベントの開催も計画中です。ご興味のある方は、ぜひインスタグラムをチェックしてみてくださいね。
「雪国たべごと研究室」https://www.instagram.com/yukiguni_tabegoto/
「蓮池陽子」https://www.instagram.com/hasuikeyoko/
塩分は控えめの2.3%。それでも美味しく仕上がるのは、やはり風土の力。
2〜3メートルの雪が積もる寒さが、じんわりと野沢菜の甘さと旨みを引き出してくれます。
私は長らく「湿度を含んだ雪国の寒さこそが、この味の秘密」と思っていました。けれど、それだけではないと気づいたのは、栄村から山をひとつ越えた上越の安塚町を訪れたときのこと。
地元のお母さんが教えてくれました。
「安塚の野沢菜はおいしくならないから、山を越えて飯山まで買いに行くんだよ〜」
車でたかが30分の距離で野沢菜の味が変わる。
まさに“風土”が料理をしているのだと実感しました。
美味しい生の野沢菜は、霜にあたり甘味が増し、ほどよく柔らかく、少しぬめりがあるもの。
安塚の野沢菜は固く、ぬめりが出ないのだそうです。
—野沢菜の食べ方も土地ごとに
土地が違えば野沢菜の“食べ方”も異なります。
安塚で誰もが口を揃えて言う定番料理は「野沢菜の粕汁」。味噌と酒粕の汁に、刻んだ野沢菜の葉を入れるもの。日本酒文化(雪中梅の)が息づく土地らしい汁物で、この冬はぜひ作ってみようと思っています。
―余計なことをしない美味しさ
風土が料理人。とは尊敬する方の言葉であり、料理をする上で大事にしていることです。
土や風や水が、山菜、きのこ、野菜、米をおいしくする——
野沢菜も同じ。
だからこそ、余計なものは加えず野沢菜も塩と唐辛子だけ。
1年に1度しか作れない野沢菜。今年の出来上がりが、今から心底から楽しみです。
「こんなにも美味しい野沢菜を、もっと多くの人に味わっていただきたい」という思いから、この冬も野沢菜のお裾分け便を企画しております。オンラインで開催する野沢菜料理教室の参加者の皆さまには、野沢菜をお届けする予定です。
また、都内での野沢菜ポップアップイベントの開催も計画中です。ご興味のある方は、ぜひインスタグラムをチェックしてみてくださいね。
「雪国たべごと研究室」https://www.instagram.com/yukiguni_tabegoto/
「蓮池陽子」https://www.instagram.com/hasuikeyoko/
この記事へのコメント
mako
野沢菜漬けが好きなので、
興味深く拝読致しました。
ecru
美しすぎる長野の山々の紅葉! 幼少時から菅平で毎冬スキー、峰の原でテニスや温泉、蓼科別荘ライフ。と、長野は馴染みの土地です。シンプルな野沢菜漬けが一番!野沢菜の粕汁も食べてみたい!完成楽しみですね♪
かおるん
関西在住なんで、初めて長野のスキー場で食べた手作りの野沢菜の味が忘れられません。いつも食べてたのとは、全然違います。味も塩味だけではなく、うまみや酸味があって最高でした。近くで買えたらな~!!!
ポンちゃん
長野県出身ですが、50年ほど前は自前の野沢菜漬を各家庭で漬けていたものです。今ではスーパーで購入する家庭がほとんどですが、漬物上手は名人で尊敬されていました。昨年鬼籍に入った義理母は地域でも有名な漬物名人で私も随分と美味しい漬物を食べさせてもらいました。今では良い想い出です。
そやてる
自然豊かなところで、野沢菜が作られる、良いですね~
車で30分の距離でも野沢菜の味が変わるって、こういうこともあるですね
勉強になりました。
かぐや姫
ストーリーを感じる食べ物はいいですね
でも野沢菜ってスジを感じるし大きめに切ってあるので
ちょっと苦手だな〜
おこめ
いいですね!
コーヒーブレイク
いくらでも食べられそうです
ぽんで
素晴らしい世界を紹介してくれました。
さーもん
野沢菜!! ほんもの良いですね✨食べたいです
hirune
野沢菜漬け祭りですね!
おいしそ
ほな
野沢菜を饅頭に入れると最高です。
江戸っ子
野沢菜大好きなのに、漬物になる前の姿を初めて拝見しました。