スペインとドイツで、「食う・寝る・歩く」〜ドイツ飲み編〜

  • 2025.08.12
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「どうせトランジットで着陸するならちょっと旅をして帰ろう!」道草気分でスペインからドイツのミュンヘンに立ち寄った僕たち。まずは空港を出て目の前にあったお店でドイツでのファーストバイトスタート!世界初のジェットエンジン搭載型飛行機を開発したドイツらしい佇まいのお店で、ドイツ名物でスナック感覚で食べられている「カリーブルスト」からスタートです。
空港を出てすぐの屋台?スペインから来ると、無骨な感じにドイツっぽさを感じます。
カリーブルストは、焼いたソーセージにカレーパウダーとケチャップをかけただけのシンプルなもので、現地ではスナック感覚で親しまれている逸品。紙の器に盛られた熱々のカリーブルストを店主から受け取りケチャップをかけはじめます。
カリーブルスト(上にポテト山盛り!)ライトミールのはずが、なかなかお腹にたまります。
突然「ケチャップはソーセージが溺れるくらいかけろよ!」と大声で怒り気味に店主が叫んできた。そしてすかさずゴツい顔に似合わない“テヘペロ”も頂きました。スペインよりも英語が使える自由度もさることながら、八百屋で「おつりは百万円ね!」レベルのベタで楽しい会話のおかげで2泊3日が楽しみになりました。

ミュンヘン中央駅は激しく人が行き交い、たくさんのドラマが生まれていそうな空気感。あのひとはどこへ行くのか?小さな売店で新聞を買うあの人はどんな記事を楽しみにしているのだろうか?僕もこの駅から遠くへ行きたい気持ちが沸いてきます。
ミュンヘン中央駅の電光掲示板を眺めていると、どこかに行きたくなる…。
帰国前にちょっとだけ贅沢をした宿(といっても日本のビジネスホテル3人分よりも安い!)にチェックインをしたら、荷物を投げ込み早速街の散策に飛びだします!スペインとはまた違った、少し四角が多い様な、重厚感がある街並みを歩くとちょっとしたタイムトラベル感があります。暮らしの“のぞき見”がしたくてスーパーに入り、歯磨き粉から、生鮮食材、そして瓶詰めを眺める。ぼくはこの時間が結構好きで、世界中でも、日本の地方でも恒例の楽しみ方です。
豪華なお部屋! 1部屋20,000円で朝食3人分付きって、助かります。
見たことがないキノコの瓶詰めはキャンプに使ってみたくなる食材。
四角が多い街並み。ドイツに来たことを実感しました。
夕方まで街をブラブラすると、当然腹が減ります。ここからが初日のメインタイム!重厚感があって歴史がありそうなビアホールを見つけ、中に潜入。店に入ると担当の方がひとりつき、オーダーから配膳まで全てを担当してくれます。普段だったら萎縮してしまうような高いサービスレベルだけど、聞けばビアホールとはそういうものらしいので、旅の恥はかきすてということで、いろいろお作法を教えていただきながら楽しみます。

何はともあれビールとソーセージ!おすすめの盛り合わせをつまみに「ドイツにプロースト!(乾杯!)」本当はひとり1品はじめに頼むのがマナーだそうだけど、長谷部家はひとり2品は絶対に食べると伝えると、「ごゆっくり」とほどよい距離感で楽しい時間を過ごさせて頂けました。
ソーセージの盛り合わせ。ザワークラウトとマッシュポテトも酒のあてに最高!
初ビアホールでの1杯は、もう、最高!
ほろ酔い気分上々に整った身体で夜のミュンヘンをフラフラ歩き、ホテルに戻るとまずやることはお茶タイム。作っておいた緑茶を三人ですすり、シャワーを浴びたらあっという間に夢の中に溶け込みます。
今回の旅のお供のボトルはドイツでもお腹を癒してくれました。
2日目は、初日が総論的に街を歩いたのに対して、各論的にミュンヘンの街を楽しみます。
行きたい場所を家族内でまとめると、「市場」「ガーデンショップ」「アウトドアショップ」が上位に上がり、そこに街並みを楽しむことをトッピングに入れて歩き始める。

この日は青空が気持ちいい!涼しいし、からっとしているし、街の散歩には最高の気象条件な気がする。市場ではシーズンインしたホワイトアスパラや加工肉など、土地の空気が詰まったラインアップをスタンドのホットドッグをかじりながら楽しみ、ガーデンショップでは、“絶対に帰国後困る”だろう不思議な飾りを奥様が購入し、小腹が空いたところでランチ(+ビール)タイムに入ります。
中世の街並みに青空。並ぶのはベンツのタクシー。歩くだけで楽しい!
ハードなパンにしっかり目に焼いたソーセージ。何もかけなくても旨い。
ホワイトアスパラが様々なサイズごとに並ぶ。これも食べないと!
ここで見るとカワイイんだけど…。家に持ち帰ると…。
ビールランチはジャンルでいうとサンドイッチ。ドイツらしい塊の加工肉を分厚く切ったものや、太めのソーセージをパンに挟んだものを注文。これを大口で頬張り、ビールで流し込みます。店員さんの、手際よくソーセージを切り、ソースとザワークラウトを流れるようなスピードでパンに挟んでいく所作を見ると、美味しさが増すというもの。何よりも日中のビールはほどよい罪悪感という調味料が加わり、旨いことこの上ない!
どれも文句なしで美味しいソーセージシリーズのサンドイッチ。
楽しみにしていたアウトドアショップでは、まったく興味がない娘と奥様はお約束的にいつの間にかお店からいなくなっています…。連絡を取ってみると、ふたりはブラシ専門店にいるとのこと。ブラシ専門店??「いいじゃない。そのチョイス!」僕も興味をそそられてブラシ専門店に合流します。ここでは奥さんと僕ふたりの何か買いたい病が一致したので、革靴用のブラシを物色。普段履いている革靴やサンダルの仕様を話すとベストなものを紹介してくれました。
あと10時間は欲しかった…。巨大アウトドアショップはやっぱり最高です。
ブラシ専門店だけに、ブラシがずらりと並んでいました。
カフェ→街並みを楽しむ→気になった所に入ってみる…を繰り返していると、この日もあっという間に日が暮れ始めます。はい。ここからは夜のビールタイムです。ドイツ最終夜は“国営”のビアホールに行くと決めていました。国営があるというのが流石ドイツ!もう、向かう途中からワクワクが止まりません。

お店の扉を開けると、空間はまるで体育館のように広い!ドイツ民謡の生演奏が流れ、民族衣装を身に纏った女性がカゴにプレッツェルを入れて売り歩いている。そしてお店のスタッフは、男女問わず日本でいう大ジョッキをひとりで6〜8個持って足早に店内を移動している。店内は薄暗くちょっと入るのに勇気がいるけど、昔の重厚感がある建築物を活かした建物ではむしろデフォルト。だから僕らも恐れること無くこの空気を楽しめるようになりました。
国営ビアホール。この空間に入るとずっと昔にタイムトラベルをした気持ちになれる。
さあ、ビアホールタイムのスタート。第一関門は、店内満員状態の中3人が入れる席を探すこと。相席は当たり前なので、入れそうな場所を探します。広いホールをぐるりと周りながらキョロキョロしていると、「こっち空いてるよ!入れ入れ!」と大柄な男性客が呼び込んでくれた長ベンチの一角に他人と肩が触れあう距離感でお尻を無理矢理埋め込んで腰を降ろす。そして生演奏に負けないくらい大きな声でビールとおつまみを注文します。
大きなプレッツェル。塩味が美味しくビールのあてにも最適でした。
僕もキャンプでよくつくるシュバイネハクセ。本場はヤハリ旨い!
僕にとって新感覚で美味しかったハムにワインビネガーをかけただけのおつまみ。
これ、かなり旨いので帰宅後すぐに真似をしました。
僕たちが座った席には、前に声を掛けてくれた体格が良くて強そうなおじさん。左隣にハンチング帽が似合うおじいさん、そしてドレッシーなおばさまと、右前に楽しそうにビールをチビチビ飲むおばあちゃんが座っています。「どこから来たの?」という、定番のトークから始まり、話しはここのビアホールのお作法や、それぞれの故郷自慢など、色々な話しが続いていきます。
常連客のお作法は、炭酸が抜けないようにマイ蓋をジョッキに置く。
一見さんの僕はコースターを同じように置くと良いと教わりました。
ここでの出会いで一番は、おばあちゃん。お年はなんと90才超え!もうこのビアホールの超常連で、いつもはお友達と来るけど、今日はたまたま都合が合わなかったのでひとりで飲みに来たそう。一人でも誰かと話せるし、民族音楽の生ライブで歌えるし、とにかく楽しいんだそう。うん。それは僕も分かる気がする。気付けばおばちゃんの半生を、隣のおじさんの通訳で(おばあちゃんはドイツ語)しっかりと聞かせていただいていました。
90才超えのおばあさまは、元気に話し、大ジョッキ2杯をぺろり。
僕たちも杯を重ねると。気付けば同席のテーブルの人達と肩を組み、そしてメロディーだけは一緒に口ずさみながら大きく左右に揺れていました。

たくさんのドイツ料理とビールをお腹に納め、昨夜に続きほろ酔い気分でお店を出たら、ホテルへと向かいます。歩いて約30分。娘と奥様は途中でアイスを買い、僕はコーヒーを買う。フリースの襟を立ててファスナーを上げ、コーヒーをすする。路上演奏はトリオのクラシック。ドイツ、いいなあ。
ふたりは足早にアイス屋さんへ。
さよならミュンヘン。僕はきっとまた来ます。
翌日はプレッツェルをベースにサラダとスープで朝ご飯を食べ、少し街を散策したらもう日本行きの飛行機の中。今回の旅も、長谷部家らしかったな。次はいつ頃行けるだろうか?いつでも行けるように、心も身体も経済的にも父さん頑張らないとな。


この記事へのコメント


コレステロール

流石!ソーセージ、旨そう?旨いんだ!
おばあさんすげ~


ポンちゃん

本場のビアホールは素敵ですね!つまみも旨そうですなぁ~


かぐや姫

わ〜い
楽しい旅にご一緒させてもらってうれしかったよ!
行ってみたいな〜ドイツ


スッチー

素敵です。


コーヒーブレイク

美味しそうだし快適そうだし・・・日本て物価高いですね


ぽんで

楽しそうだなあドイツ。


さーもん

とっても楽しそう!素敵な旅ですね✨


おこめ

いいですね


hirune

いってみたいっ!


ほな

脂っぽい食事、体はどうか。

  • スッチー

    良いです。


江戸っ子

ステキな家族旅行ですね。


瀬古の親父

ドイツのソーセージ、美味そう。

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