新世代と一緒に日本で一番新しい山へ

  • 2023.06.13
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昨晩のお酒を感じながらビジネスホテルの部屋をのっそりと脱出。荷物を持ってロビーに下りたら今回の山旅の始まり!仕事の下見も兼ねた今回の山旅は、何度も会っているとはいえひとまわり近く若いメンバーと一緒なのでおじさんサイドになる僕はいつもより少し緊張の旅のはじまりです。
目指す山は長崎県の雲仙岳。雲仙岳はいくつかの山を一緒にした総称で、実際は国見岳(1347m)と普賢岳(1483m)を狙って山に入りました。雲仙岳は今も活動を続ける山で、1991年の噴火で大規模火砕流があり多くの被害がありました。これは僕にとって記憶に残る最初の自然災害で、今でも鮮明にテレビの映像は残っているし、これがきっかけで大人になってから災害ボランティアなどにもできるときは参加するようになりました。
話を元に戻して…。登山口に到着すると周囲の景色は濃いピンクのミヤマキリシマ一色で!この日は大当たり日でした。ミヤマキリシマは火山系の山で噴火して何もなくなった大地にいち早く生え始める強い開拓者的植物で、火山系の山が多い九州らしい景色。僕の知る限りでは、九州の登山者はみなミヤマキリシマが大好きです。
ミヤマキリシマのピンクと青空のコントラストが登山前のワクワク感を高めてくれる。
ミヤマキリシマが目に入った瞬間から、新世代チームはもう大興奮。ぼくの興奮具合なんて地味に感じるくらい「ミヤマキリシマ〜!!」と叫び、落ち着きのないアヒルのように右から左への移動が始まります。余韻をたっぷりと引きずったまま、クラシカルなロープウェイに乗り歩みをすすめていきます。鳥居をくぐりお参りをして、苔むした森に入るころから新世代チームの歩みが遅くなり始めました。
咲き乱れるミヤマキリシマはこの日がピーク始め。
大人になってもワクワクするロープウェイ。
山の中にある鳥居と神社は個人的に大好き。登山の安全とつい欲張っていろいろお願いをしてしまいます…。
新世代チームが何をしていたかというと、SNS用の写真撮影。見せてもらうと、これがまたけっこう素敵なものばかり!僕の写真は、いわゆる昔ながらの画角や色、明るさに注意しながら脇を締めてカメラを持って撮るスタイル。彼ら、彼女らの撮影スタイルはまさにフリースタイルで型はないし、撮れる写真も面白い!僕はせっかくなので若い師匠の指導のもと、この日はいろいろ一緒に写真を撮りながら歩きました。
森から灼熱の日差しの岩場エリアへ。そして日陰が涼しいルートに入ったりと、この山は体力的にも初心者向けなのに山感があるし、歩いていて変化に富んで面白い。印象的なのは、日本で一番新しい山「平成新山」です。この山は1990年に始まった噴火でできた溶岩ドームで、平成にできた、地球の歴史からすると言わば赤ちゃんの山なのです。災害を考えると心が痛みますが、山自体は堂々とした佇まいでものすごくカッコいい!
火山性の山に生える緑はなぜだか生きる力をいつもよりも感じてしまいます。
四つ足の足跡。ちなみにこの写真の撮り方はいいけど普通だそうです(笑)。
心地良い森は下から撮影してみる…の画角。
「ダサカッコいい」ポーズ「谷ポーズ」を師匠と一緒に。僕がやるとただの昭和感なのが気になります…。
奥に見えるのが平成新山。
お土産のおせんべいを食べては師匠達に写真のアドバイスをもらい、普賢岳の頂上に到着したらしばし休憩。バックパックに忍ばせて置いたキンキンに冷えた炭酸水は心地良い疲れと少し減ったエネルギーゲージを満タンにするには充分であり最高の回復ドリンクです。やはり山の頂上で冷えた炭酸を飲めるのは本当にありがたい!
お土産の九十九島せんべい。シンプルな味が山では旨い!
普賢岳の頂上にて。自分が切れているともう少し今風とのこと。勉強になります。
炭酸を運べるのが本当にありがたい!ありがとう!
オンタイムではないけど懐かしい鈴の音に引かれてアイスを購入。ここでも写真をしっかりと撮って、アイスを食べながら師匠達はお着替え。僕はそのままの服装で車を発進させました(エチケット的にも、お洒落的にもやはり次は僕も着替えようと強く心に決めました)。帰りはしっかりと学びの時間。今回登った山々の噴火で起きた大規模な自然災害の跡を見学して、この山を五感と身体と心と頭で味わいました。
この看板に引かれて、目の前の新しい系アイスのお店ではなくこちらに足が向いてしまう昭和の僕。
はじめて食べたけどなんだか懐かしいアイスとミヤマキリシマはちょっとよく撮れた写真。
言葉を失うほどの自然の驚異。山の楽しさの高揚感とは別に、大きな学びもいただきました。
この日のお酒は山登りの後という設定の他に師匠達と一緒というオプションつきで当然のことながら美味しく、途中からまた二日酔いの覚悟を決めた楽しい旅になりました…。


この記事へのコメント

おこめ

自然最高ですね!

りょう

素敵な表裏の学び!

ほな

普賢岳は活火山ですか。

ほな

九州の方は登山が大好きですね。どこに行ってもおられます。

ほな

四つ足の足跡はしかですか。 熊でわありません。

  • 長谷部 雅一

    この四つ足、クマではないですし、シカでもないんです。
    サイズと形的にはイタチ科か、タヌキかなって思っています。

瀬古の親父

昔、昔に行ったきりの雲仙。
未だ、お馬さん、いるのかな?
懐かしいです。

気持ち良さそうですね

  • 長谷部 雅一

    とっても気持ちよかったです!
    薫さんも是非自然を楽しんでください。

ミキ

自然最高!と脅威!

  • 長谷部 雅一

    相反するふたつがある自然。
    僕は大好きです!

おひるだ

お天気サイコーですね。平成新山に咲きみだれるミヤマキリシマ、とても綺麗です。山々の緑と青い空、気持ちが良いですね。ついついまた自分も登って下りてきた気分になって、しばしボ~~ッと眺めてしまいました。なつかしのアイスも、美味しそうですね。私もまだ食べたことはないですが、主人と行けたら一緒に味わいつつ、映える写真も撮らなくっちゃ!

  • 長谷部 雅一

    そういって頂けると嬉しいです!写真、頑張ったかいがありました。
    是非、アイスとセットで山を楽しんでくださいね。

江戸っ子

雲仙岳は、災害のイメージしかなかったです。
とっても、ステキな場所だったのですね~
年齢がある程度 上の方々が、アイスを食べて、リラックスしている姿が、平和をものがっていて なかなかです!!

  • 長谷部 雅一

    まだまだ傷跡はありますが、山としてはとても素敵な場所です!
    自然を満喫するとその土地の歴史を感じられていつも学びが多いんです。
    いろいろありつつも、平和な時間が流れる場になっていくのは素敵ですよね。

ポンちゃん

若い師匠に今時の映える写真撮影を請いチャレンジしているのが微笑ましい。映え?の写真素敵でした!

  • 長谷部 雅一

    ありがとうございます。
    残念ながら僕の写真は映えませんでしたが、引き続き修行を続けていこうと思っています 笑

ぽんで

本当にアイスがおいしそう。

  • 長谷部 雅一

    山の後のあのクラシカルなアイスは本当に美味しかったです 笑

ほな

自然の回復力に驚きました。

  • 長谷部 雅一

    10年単位や100年単位、そして1000年単位で回復していく自然の姿は本当にすごいなと僕も思います!

hirune

大自然の楽しさを満喫してますね~

  • 長谷部 雅一

    毎回、いろいろな自然を満喫しています 笑
    hiruneさんもご近所でも、窓から見える自然でも、山でも、なんでもいいので自然を是非満喫してみてください!

コーヒーブレイク

心が洗われるほどいいお天気。でも、噴火の足跡には驚きでした!人の生活がすぐ前まであったのに・・・自然は時に脅威ですね。

  • 長谷部 雅一

    まさしくその通りだと思います。
    自然は優しくもあり、そして脅威にもなりますね。

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