1. ホーム
  2. T's コラム
  3. 最高のシチュエーションでお弁当を食べるためだけの旅

最高のシチュエーションでお弁当を食べるためだけの旅

  • 2021.10.14
  • 188
  • 4

長谷部 雅一



僕はコンビニ弁当よりも、いわゆる“ほか弁”をこよなく愛しています。そして、数あるお弁当の中でも、幕の内弁当より、鮭弁より、焼き肉弁当よりも、とにかくのり弁やおむすびといったベーシックなものが大好きです。(ここは語ったら止まらないので別の機会に聞いてください!)
ある日、午前中は打ち合わせ、午後は在宅ワークなのでお弁当を買って帰ったある日、ふと「自宅でできる最高のシチュエーションで食べよう!」と思って準備を始めました。庭のデッキに敷物を敷き、お茶を用意して、どっかりと腰掛けて食べます。お弁当には贅沢すぎず、でもベストなシチュエーションなこの程度のセッティングが一番。
鳥の声を聞きながらお弁当をつついていると、ふと最高のアイデアを思いついてしまいました。それは「もっと最高のシチュエーションでお弁当が食べたい」というもの。
仕事にかこつけて上陸した九州の安蘇・九重エリアで、まずは九州で一番好きなローカルお弁当屋さん「おべんとうのヒライ」に直行します。ここは地元で愛されるお弁当チェーンで、とにかくすべてに手作り感があってうまそうで、安い!僕は時々このために九州に来たくなるくらい。
もう何回お世話になっただろうか?僕が愛する九州のお弁当&イートインチェーン
全てが美味しそうなので、ここに来たら散財しないように気をつけるのが難しい
中にポテトサラダが入った「ちくわサラダ」は、ビールとの相性が抜群!なので今回は我慢することに
店内散策は時間をかけて楽しむけれど、買うのは決まっている。お弁当をレンタカーの後ろ、揺られても大丈夫なようにしっかりと保護してから、アクセルを踏む。お弁当から漏れる揚げ物の香りは、ドライブ中の僕の胃をギュッと刺激します。
初日はお散歩程度と決めていたので、目的地は一択。スコットランドのスカイ島を思わせる、それでいて日本らしい活火山の景色が360度広がる絶景ポイントに到着したら、ベストポジションを探し腰掛けたらお弁当をヒザの上にポンと置く。まだ温かいお弁当の温度が伝わってきます。この温度は、なんともいえない幸せ温度なのだ!
初日の目的地は、絶景と素敵なトレイルがある長者原(ちょうじゃばる)へ
ヒライののり弁は、パッケージからしてもう美味しいのがわかります
山とのり弁!もう、たまりません
あとはこの素晴らしい景色と空気を一緒に、無言でのり弁を頬張るだけ。食べる時間はほんの5分程度。それだけにこの愚行の贅沢さは増大されるのです。この日の個人ミッションはここまで。翌日はさらに最高のシチュエーションでお弁当を食べるので、その計画の復習をしっかりとして就寝しました。
翌日は、違う山域に入って「デイハイク+お弁当」。今度はお弁当のために大自然を歩いてお腹を空かせるという、またさらに贅沢極まりない作戦の実行です。
トレッキングシューズの紐をしっかりと締めて、バックパックには前日同様「おべんとうのヒライ」で買ったおむすびと水筒などを放り込んで出発。天気予報は曇りと晴れが入れ替えで何度もやってくる感じ。秋の始まりとはいえ、歩くと汗ばむのでまずまずの天気。
ワクワクする道が続くトレイルのおかげで、僕は常時興奮状態だ
湿地と森を抜けると、肌がピリピリするくらい力のある山々に囲まれ始め、そこを抜ける風を浴びるたびに僕の顔はニヤニヤ顔になり、足取りが否応なく速くなってしまいます。
くっきり残った副蹄(ふくてい:人間でいう足のかかとに近い場所)が印象的なイノシシの足跡を見て、その迫力に頭の中は恐竜時代にタイムスリップ。いつしかこの景色の中、恐竜たちが歩く太古の昔を歩いているような脳内タイムトラベルがはじまる…。
副蹄(ふくてい)くっきりの足跡はなんとなく太古の昔を思わせます
行きがけに購入した地元産のトマトを行動食に、運動不足の身体から次々と抜けていく水分をボトルからガブガブ補給します。
日帰りで荷物が軽いと、地元野菜(=水分があって重さがある)という贅沢ができます!
こんな日はキンキンに冷やしたお茶がスルスルと胃に流れていきます
もうふた踏ん張りくらい歩くと、眼下に山小屋が見え始めました。ここには温泉もあり、本来ならばここでテント泊なんて最高な方法もあるけれど今回は我慢…。日帰りだから生ビールの看板も強制的に無視せざるを得ません。
立派な山小屋が見えると、少し人間の香りがしてワクワクします
フォントも、劣化具合も生ビールの旨さを上手に表現しています
この日狙っていた場所に到着したので、さっそく高菜で巻かれたおむすびを取り出して大きくひとくち。ほどよく塩がきいた高菜の香りが鼻を抜ける度に、僕の鼻や耳、そして頭の毛穴ひとつひとつから「プシュ〜ッ」とコロナで溜まった何かが蒸気になって吹き出していきました。
2日目のミッションはこれにて完了!
僕にとって最高のシチュエーションでお弁当を食べる計画は無事に終了。身も心も自然とお弁当に満たされた身体は、帰路のトレイルを身軽に運んでくれました。そして仕上げのデザートは最高のソフトクリームで旅は終わりました。
帰路で出会ったカエルは、脳内恐竜の世界から元の世界に戻してくれる使者となってくれました
そして僕はあなたも大好きです


  • ツイート
  • シェア
  • はてぶ

#

長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

  (続きをみる)


この記事へのコメント

2021.10.17 12:57
 文章のリズムもいいし おいしそうな画像も・・・
一緒に行ったかのように 楽しみました。 
いいですね~~

お弁当のお話しもききた===い
ゆーだいすきかあさん
2021.10.16 06:18
私も外で食べるお弁当大好きです。自然の景色空気と贅沢な時間ですね♪外に出かけたくなりましたよ(^o^)
お弁当屋さんの種類に驚きです!
みぃみぃ
2021.10.15 15:20
お弁当の包み紙、かわいくて、わかりやすくて、サイコー!!
センスいいですね!
だあきち
2021.10.15 08:21
山好きな人はおにぎりです、雨でも立って食べられます。
ほな
2021.10.15 07:40
次回は、ぜひともテント泊で!!
江戸っ子
2021.10.15 04:09
高齢で膝が悪いので山には登れませんが若いころの一人縦走を思い出しました。
それと、眼科を見ながら食べる高菜おむすびが食べたくなりました。
町の修理屋
ニックネーム:
※投稿時にこちらの名前が表示されます。
※投稿にはニックネームの登録が必要です。

オススメコンテンツ