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ソローの言葉とソロキャンプ

  • 2021.11.16
  • 236
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長谷部 雅一



「わずかな物しか持たずに生きられる人ほど豊かである」とは、アメリカの作家であり、思想家、博物学者でもあるヘンリー・デイヴィッド・ソローの言葉。
モノ、コト、そして情報と、様々な何かで溢れている現代にとっては最も難しいこと。でも、現代人がこの考えに歩み寄れれば、きっと「豊か」という言葉の一端が見えるかもしれません。
言ってみれば「シンプル」という言葉が近いだろうか?緊急事態宣言が解除になったこともあり、この言葉に触発されてソロキャンプをしにキャンプ場へ車で向かいました。今回のテーマは「今の僕にとってできるだけシンプルであること」。キャンプサイトに着いたら設営をして、僕にとってシンプルな1泊2日が始まりました。
この日は平日。周りに誰もいないので本当のソロでした。
家にあたるテントは極めてシンプルに。インナーと呼ばれる虫除けのメッシュ生地や地面との直接の接点を無くす底の布さえもないもの。雨だけ防げれば充分。装備も極めてシンプルにしました。ポットと保温マグ兼用でタンブラーを。昨今どうしても必要な焚火台と焚き火シート。無くそうと思ったけれど、思考の時間が欲しかったので、文化的家具であるテーブルと椅子だけはちゃんと用意。
やることといえばだらだらと焚き火だけという、この時間は今の僕にとってとっても貴重な時間。
明かりやシングルバーナー選びにも少し気をつけてみました。今回のテーマに合わせ、ガス燃焼音や過度の能力がないものを選び、自然の時間、自然の音だけで過ごせるように選択。もちろんスマートフォンなどは車の中に置いてきました。
アルコールを使ったストーブで、炎の音がほとんどなく、構造的に風にも強い。でも、自然の移ろいのように少しゆっくりとお湯が沸いてくれる調理セットが今回の相棒。
“わずかな物=シンプル”であるようで、そこには僕の意図が“たくさん”入ってしまっている気がします。でも、これが今の僕にとってのシンプルなのです。
自分の場所ができたら、もうあとはゆっくり過ごすだけ。今回は、いわゆる“SNS映え”といった自己脅迫感も置いてきました。だから食事も昼夜ラーメンで、家の戸棚にあったもの。そして朝食はパンとコーヒーだけ。「なんて酷い飯だろう」と苦笑いするも、それがまた自分を楽にしてくれる感じがします。
ゆっくりつくったランチのラーメンは具無し。でもうまかった。
夜はお湯を入れるだけというラーメン。罪悪感?からちぎった葉っぱを山盛りに乗せました。
秋は夜の訪れが早い。早々にローソクランタンに火を入れて、パチパチという音を聞いていたら、なんとなく撮影もやめてしまいました。(ごめんなさい!)
シンプルなソロキャンプのせいか?今夜はゆっくり考え事をする時間ができた気がします。主に自分のこれからのこと。クリアになったわけではないけれど、色々な事を自分の周りにくっつけすぎた僕は、少しそぎ落とすことができたような気がする夜でした。
朝方の冷え込みで目を覚まして、苦いコーヒーを流し込んで、寝袋の上にもう一度寝転がって、昨日のおやつのあまりのポップコーンを寝たまま口に放り込み、ただボーッとテント越しの景色をしばらく眺めたら、1泊2日の時間は終了。
周りを散策すると、縦に刺さったドングリを発見。これって何分の1の確率だろう?
寝っ転がったまま食べた残り物のポップコーンは湿気って食べている音がしない。これもまたいい。
若干重い身体とは反対に、頭はクリア。今度はもっとワイルドに、そしてシンプルに森の中に入ろう。
ソロキャンプ、おすすめです。皆さんも挑戦してみてくださいね!


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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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この記事へのコメント

2021.11.18 09:51
虫よけが大変ですね。
ほな
2021.11.16 12:48
緑の中で、焚火なんて、リラックスできそうですね~
だあきち
2021.11.16 12:25
長谷部さん 毎回 楽しみにしています。
空気感が伝わってきました。
一人静かに
自分もそんな時間を持ちたいです
何か考えねば
ゆーだいすきかあさん
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