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地球のエネルギーを二足歩行で確かめる

  • 2021.09.16
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長谷部 雅一



鹿児島県と宮崎県の県境をまたいでそびえる霧島連山の最高峰、韓国岳(1,700m)。韓国岳がある霧島国立公園は、1934年に国立公園法が施行された年に日本初の国立公園のひとつとして誕生した場所で、日本のアウトドアの歴史上重要拠点地でもあります。
まだモクモクと煙を吐き出し続ける火山や山の中にある青い湖、地球の数万年の歴史と活動が凝縮されたこの山を歩きたくなり、僕は鹿児島行きの飛行機にすべり込みました。
飛行機が鹿児島空港に着陸態勢に入り、大自然から街並みが大きくなっていくのを眺めていたら、僕の脳に強い指令が入りました。煩悩の塊でできた僕の欲深い旅のアンテナが最初に向かえと出てきた指令は、山ではなく「ローカルのファミリーレストラン系で腹を満たしに行け!」。僕はこの手の地元系のお店が大好きで、食事のタイミングが合えばつい立ち寄ってしまいます。
飛行機の着陸は、これから始まる旅の気分を一気に上げてくれます
このお店は、主に鹿児島周辺にある食べ放題が多いハンバーグレストラン
ファミリーレストランなのに“アウェイ感”がある店内に入り、適当に席について注文。お店の人が教えてくれたルールを理解したら席を立って店内散策を開始。メインのハンバーグを注文するとついてくる「サラダバー」と名付けられたコーナーは、サラダの他に、麻婆豆腐にカレーにご飯、ミートボールにサラダ、そしてデザートまである充実度。時期的に“黙食”なのは残念ですが、そこはひとりなので大丈夫。
オーソドックスなハンバーグはおすすめのオリジナルソースで注文
実際はこれに食べ放題が付くので満腹!
次に僕の煩悩が指定した行く先は、鉄道と駅。「せっかくだから」にしては優先度が高いですが、ルート上にあった霧島神宮駅にもお邪魔しました。人が多かったら車からのぞくだけと思っていたけど誰もいないので少しだけ散策をすることに。
霧島神宮駅の外観
個人的にはJRなのにローカル感が強くて好き
この日は天気が良く、アスファルトから跳ね返る太陽の熱はジリジリと足下を焼かれるよう…。それが駅の中に足を一歩踏み入れた瞬間に体感とは別の涼しさを感じました。僕が想像していたローカルな駅とは違って、まさに”神宮”たる所以のつくり。その空気感が不思議な涼しさを醸し出していたようでした。
中に足を踏み入れると、もう異世界空間です
車の窓から入ってくる風の温度がだんだん低くなってくる頃、標高も上がり登山口に到着。飛行機の機内預け用の大きなバッグから登山用のバックパックを引き出して、一気に登山の準備を済ませたら紺色空の下、強力な存在感を放っている韓国岳登山を開始。
様々な要素が生み出す川の色は自然の不思議を感じます
※飲めません
この土地の性質上レンガ色に染まった水が流れる川を抜けて、噴火で溶岩が流れた後にできたまだ若い森を抜けて足を進めていきます。目指す山頂は進めどなかなか近くならないこの感じが登山の醍醐味です。時々頭上の木々の隙間から差し込む強い太陽光がまた心地よい。
目的地はまだ遙か彼方…これがまたたまらないのです
途中から山登り独特のゾーンに入り、自分の呼吸だけしか聞こえない世界に入っていきます。 ゾーンに入りすぎると視界も思考も狭くなってしまうのだけど、まだ煙を吐き出し続ける硫黄山がまた僕が今霧島連山の中にいる世界にギュッと引き戻してくれます。
まだ生きている火山を見ると、地球を感じます
周囲の木々の背が低くなり始める頃、空が一気に開けて山頂に到着。コンビニで買った氷をこれでもかというほど詰め込んだボトルに、運搬中に温くなってしまったアイスコーヒーを注ぎ、よく振ったら特性のギンギンに冷えたアイスコーヒーの完成です。ヒートアップした体内に一気に流し込むと、やっと足下にあるのがそのまま地球の上だということを思い出させてくれました。
頂上からは家族への定期連絡(生存連絡)用にいつも写真を撮ります
歩きたくなる元火口の外輪は、残念ながら現在一周はできませんでした
ゆっくりしたいところだけど、胃の中に一気に食べ物を詰め込んだら下山開始。この山は来た道を戻るだけなので道迷いはそうそうない。行きのゾーンに入った世界とは逆に、僕は歩くスピードを落として自然をじっくりと楽しみながら下山することにしました。そのためのスピードランチだったのです。エネルギーの塊といっても過言ではない生きた地球の上を踏みしめることを堪能します。
時間の経過を感じる看板兼ロープポール
後で気付いた手作りの竹製ストックが500円
登る前に買いたかったなあ
時々やってくるチョウチョのアサギマダラ。アサギマダラは大陸をまたいで渡り、長い距離を旅するチョウチョ。この子達は、気温の変化と共に日本の北に向かっていきます。アサギマダラの影響か?下山して着替えをする頃には、僕も北の方に、山とローカルファミリーレストランと鉄道と駅を求めて旅をしたくなってしまったのでした。
旅のお師匠様のアサギマダラ
今回はお仕事もかねて、新型コロナウィルスの感染対策は充分気をつけて行動をしています。いつかはまた自由に旅を!と思った矢先に、新型コロナウィルス感染拡大防止策のための緊急事態宣言の延長や拡大の発令。そして災害と化してしまった強雨で僕たちの生活はもはや一昔前の“日常”といっていたあの日々がもう一度来るとは思ってしまってはいけないのかもしれません…。
でも僕は、ウィルスと自然と共存し、そして自然災害時は助け合いつつ、新しい形で本物の自然を感じる方法を模索しようと思います。安易におすすめしてしまうとまた密な世界を作ってしまいますが、時流を見ながら、日本や世界の経済が回っていく旅をしていきたいものです。
新しい旅のかたちを考えさせられる今回の旅でした
そんな視点から、皆さんも是非地球のエネルギーを感じに霧島国立公園に行ってみてください。


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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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この記事へのコメント

2021.10.16 06:31
写真を見ていて行きたくなりました! 
鹿児島は行った事が無いので落ち着き始めたら是非行きたいです♪
みぃみぃ
2021.09.20 15:34
キレイな景色。
ネコ太郎
2021.09.20 10:20
なかなか関東からは行くことができない土地なので、お写真を拝見していても楽しいです。
江戸っ子
2021.09.19 15:07
数年前に鹿児島を旅行したのを思い出しました。
今度は山登りもしてみたいです!
だあきち
2021.09.18 17:24
美しい画像いいですね
ゆーだいすきかあさん
2021.09.17 07:46
写真見るだけでも元気になります。ありがとうございます。
2021.09.16 13:51
九州の人は山が好きです。
ほな
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