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秋山セッション

  • 2018.11.08
  • 196
  • 3

長谷部 雅一



僕が勝手に決めている恒例行事のひとつが、娘と2人だけで山でセッションをすることだ。セッションっていうと通常は音楽をイメージするけれど、僕の場合は山なのだ。ちなみに、残念ながら僕はまったく楽器が弾けない…。

娘とのセッションの目的は3つ。ひとつ目は娘の感性と僕の感性を自然の中で出し合って感覚の共有をすること。ふたつ目は娘の成長を肌で感じること。3つ目が一番大切で、なかなか休日が取れない僕が娘と濃厚な時間を過ごすためだ。

今回のセッション場所として選んだのは秋の御岳山。手軽に登れ、優しい自然がたくさんあるからだ。登ったのは10月の末で、まだ秋が深くなるには早かったけれど、木漏れ日を浴びて黄色く光る葉っぱやトレイルに集まり始める落ち葉達が秋の始まりを感じさせてくれた。

お気に入りのバックパックは娘のおかし装着場所になってしまった
一応一緒に食べるおかしという設定になっている
触れると弾けるミズヒキの種はお気に入りらしく、見つける度に繰り返していた。



神社での娘のお願い事は「レゴブロックを100こもらえますように」
ひとまず僕はニッコリすることだけにとどめることにした

時々「ねえもっと先に行こうよ!」といいながら娘は
トレイルを走り出す
なにかワクワクするタイミングがあるようだ
「ねえ、この木は全部まっすぐだね」
僕がいつも見る風景に過ぎ去ろうとする場所で気づきと不思議をぶつけてくれると
一緒に考えるきっかけが出来て楽しい
この日はデジカメを預けた。
不思議なことにずっと空ばかり撮っていた。

クモの糸に吊された葉っぱに、「マジーック!」と手をかざす

今日一番のお気に入りはこの葉っぱ
黄色と緑と茶色のバランスが絶妙らしい

歩き始めは、僕の代わりに妻と準備してくれたお菓子の話。
「これはパパと食べるやつね。」
「このチップスはお弁当の後に食べるやつね」
「あ、これはダメ。私が食べるやつだから。一個ならあげてもいいよ…」
意気揚々と偉そうにおやつの配分を仕切りながら道を進む娘は、なんだか得意げな顔をしていた。

御岳山の中でも今回選んだルートは、勾配も少なくて距離も6km程度とほどよい設定なのでのんびり時間を気にしないで寄り道も楽しめた。

いつの間にか体の動かし方も大きく変わっていた
今度はクライミングでも一緒に行ってみようかな
僕が娘に準備したのは行きがけに買ったカップスープだけ
でも温かいスープを旨そうに平らげてくれた
木のトンネルは秘密の話をするのに良い場所だそう



木の枝を人形に見立てて綺麗な葉っぱを見つける度に着せ替えをしていった
この日は余裕を持った想定時間よりもさらに2時間以上も余分に遊びながら歩いた

時々音や足跡、糞や食痕(食べた後)から動物の気配を感じる。そんなときはお互いが満足するまで「この動物は何か?」「どこをどうやって歩いたか?」などを推理する。木の枝が落ちていれば、強く振ったときにどの枝が一番「ビュン!」といい音がするのかを探してみた。気が向くままに自然に触れながら歩くこの時間は何にも変えがたい幸せな時間だ。

「木って秋に一番お洒落になるね。この木は赤が好きだから女の子だよ」
「水がなんだか柔らかいね」

時々娘の口から発せられる言葉は、大人の感性に翻訳するとなんとも深く鋭いものがたくさんあった。気づけば心身共にしっかりと成長している娘。これからの世界はどうなるかわからないけど、ひとまず旨そうにソフトクリームをほおばる娘を見ながら、なんだかとってもおだやかな気持ちになれた一日だったなあ。

パパとお出かけするとソフトクリームがあるからいいよね!
…まあ、どんな理由でも一緒に遊べればいいかな



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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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この記事へのコメント

2018.11.10 16:37
お子様のいい表情、うらやましい。
ほな
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