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開山1300年の大山古道を歩く

  • 2018.10.09
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長谷部 雅一



鳥取県にある1,729mの独立峰「大山(だいせん)」は古来から山岳信仰が盛んで、今年で開山1300年になるそうだ。僕は今回大山に訪れる機会をいただき、大山に繋がる古道を歩いてきた。

大山古道は大山の麓にある大山寺へ向かうための道で、多くの参拝者が歩いた道だ。1,300年というと、奈良、平安、鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和、平成時代と実に様々な時代背景の中で様々な人たちが歩いてきたに違いない。馬を引き、ワラジを履いた人が、宿場に泊まりながら何日もかけて歩いてきた人たちもいたと思うと、日本の歩き旅の原点のひとつといっても過言ではないはず。

そう思うと、今年は平成最後の秋だけに、歩かないわけにはいかない!そんな気持ちがふつふつと湧いてきた。天候にも恵まれ、久しぶりにレインジャケットを着ないハイクを楽しむのであった。

今回歩いたのは一向平(いっこうがなる)から川床(かわどこ)という場所までの道のりで、距離はおよそ8km。中国自然歩道にも指定されているため、100歩に1回癒されてしまうほど素晴らし自然に出会えるコースだった。

コースマップは見やすくて、多くの人が楽しめるようになっている。
今年はコース上の矢印看板もリニューアルしていたので、より安全に楽しめるようになる。
中国自然歩道のマークは「カエル」。
このキャラクターはなんとも言えない可愛さだ。
 

歩いてすぐに感じるのは水の豊富さで、いたるところに透明度が高い清流が流れている。雨量が多いとトレイル上にも水が流れてしまうので、歩く際は防水のハイキングシューズがマストだろう。

時々現れる水がトレイルを渡っているポイント。
カラフルな葉っぱが目に入って本当に綺麗だった。

このコースのメインイベントは歩き始めて40分ほどでやってくる。大山滝と名が付けられている日本の滝100選にも選ばれている美しい滝だ。滝までのアクセスは直前にちょっとした鎖場を上り下りしなくてはならないが、降り注ぐ水が生んでくれるミストを全身に浴びることができて「リフレッシュ」という言葉がぴったりのエリアなのだ。素晴らしいミストのシャワーは味わえないが、展望台からも素晴らしい滝の勇姿を見ることができる。

大山滝のミストを浴びるためにクリアしなくてはならない鎖場。
想像以上に迫力があった大山滝。
鎖場の鎖も歴史を感じる。
※安全な鎖も設置されています。

森の中は紅葉手前でまだ緑が多かったものの、秋が深くなってくれる予感を感じさせてくれる自然がたくさんあった。たとえば、森には様々な木の実が落ちているし、時々現れるカエルや鹿の足跡から生き物の存在を感じることもできた。

折れた枝が地面につき、長い時を経て根を張り、そしてまた木となって成長した。
自然が持つ生命力の強さにも出会えた。
カヤの実。
割るとさわやかな香りがして、リフレッシュできる。
昔は精進料理にも使われていた。
森には様々なキノコが顔を出していた。
 
 
僕が見つけた鹿の足跡。
この足跡からどっちに向かったか?何をしてたのか?
を想像するだけでも楽しい。
ヤマブドウを拾った。
甘みよりも酸味が強くて、歩きの疲れを癒してくれるデザートだ。
針葉樹の森も、直線的な景色とまっすぐ入ってくる光が歩いていて心地よい。

心地よいハイクを楽しんだ後は、当然うまい魚と日本酒でさらにこの旅を締めくくるのが僕の流儀。僕はたっぷりと美味しい時間を過ごしたのでした。これから始まるのは松葉ガニの季節だし、今回は紅葉まであと数週間というタイミングだったので、期を狙ってまた来ないとな。

歩き旅の締めくくりは地酒が一番!
地魚をこれで流し込む瞬間は、日本人として生まれて良かったと感じるのだ。


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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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