スペイン・ドイツで、「食う・寝る・歩く」~準備編~

  • 2025.06.10
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「これはいるか?あれ忘れてた…」パッキングする荷物と時間無制限1本勝負で格闘するのは旅前夜の恒例行事。サンティアゴ巡礼路をスタートからゴールまで歩く旅。ざっくりいうとキリスト教のお遍路のようなもので、フランスからスペインにある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで(フランス人の道)の全長約800kmの道のりを歩く旅。これをのんびり楽しむのが長谷部家のライフワークのひとつです。
前回は2019年。やっと続きがはじまる!
今回3回目のこの遠征は、前回の終了地点、スペインのログローニョという街から始まります。ただし海外、そして何が起きるか全く分からない歩き旅をスタートさせるためには、いろいろな“準備”が必要になります。深夜にスペインの首都マドリードに入り、この旅で唯一予約をしておいたホテルにチェックインして就寝。翌朝から早速準備に入りました。
深夜のマドリード国際空港。バスか?タクシーか?ここから旅は始まります。
長谷部家が現地入りしてからの旅の準備は3つあります。
・必要備品を入手する
・目的地までの移動手段を手に入れる
・文化と空気感に身体を慣らせる

全てをネットや旅行会社で準備するのもひとつの方法です。でも、日本時間と文化に浸った脳みそから旅の流れになかなかシフトチェンジできない僕達は、この時間で歩き旅にチューニングしていきます。これがこの旅を楽しめるかどうか大きく影響を与えるのだ!

ホテルのロビーで「個人的に行くならどこに行く?」という質問から得た情報の中から良さそうなお店に入り、スペイン語で注文。ホテルは英語が通じるので、ここからがスペイン語シャワーの始まりだ。僕は久しぶりのパン・コン・トマテ(トーストに塩コショウ、オリーブオイルなどを混ぜたすりおろしトマトを載せたもの)をカフェオレで楽しみ、二人もそれぞれ好きなパンをかじりながら1日の行動を決めていきます。
このパンは僕の好物。見つけるとこの旅でもいつも食べていた気がします。
パン屋さんも兼ねているこのお店。朝食中にもたくさん売れていました。
翌日から現地入りして歩き始めたい僕たちは、電車のチケット購入を優先して街を歩き始めます。向かった場所は、マドリードにあるrenfe(レンフェ)という、いわば新幹線専用の巨大ステーションのような建物。

地下鉄なども接続している巨大駅の中に入ると、たくさんの人の話し声や館内放送、様々な機械音が混ざり、そこに集まるエネルギーを否が応でも感じる。電車を待ち、買い物をし、カフェで会話を楽しんでいるこの場所が、僕たちのスタート地点になるのだ。仕事もプライベートも、とにかく長距離電車移動をする人達の交差点の様な場所。ここにいるだけでグングン旅気分が高まっていきます。
巨大な空間の駅。この時は改装中で余白が多いけど、そんなことはお構いなし。簡易カフェにもたくさんの人。
チケット購入は言葉のウォーミングアップも兼ねて。難儀しました…。
久しぶりのスペイン語に苦戦しながらも翌日のチケットを確保。続いてはアウトドア用バーナー(コンロ)の燃料になるガスの確保。これを小さな村で入手するのはなかなか難しいので確実に入手しておきたい。この燃料があればいつでもどこでもお湯を沸かせるので、僕たちの胃と心を満たすことができるようになるわけです。
登山ショップKOALA。この建物の趣からして僕は虜になりました。
小さな店内には必要最大限の商品ラインアップ。本当はここで1日過ごしたかったくらいです。
お店の人とのアウトドア系情報交換も楽しみながら燃料を購入して振り返ると、娘と奥様がいない…。というのも長谷部家では普通のことで、慌てる必要はありません。きっと近くのお店をフラフラみているはず。

二人は地元の作家さんの商品を取り扱うセレクトショップで楽しそうに過ごしているのをウィンドウ越しに発見。お土産というよりは地元の方のお気に入りのお店という感じだ。二人はそもそもこのために来たかのように、お店の方と会話を楽しみ、そして商品を物色していました。小さな店外に響く日本語とスペイン語と英語という三カ国語爆笑の声。このコミュニケーション力、僕も欲しい…。
娘と奥さんが入っていたお店。女子二人の嗅覚に乗っかるのも最近は楽しい。
店内で興奮する二人を待つのも僕の旅。飽きた僕はなんとなくサングラスコーナーへ。
“こういうとき”はとっても危険!僕には「ストッパー」としての役割が発生します。「今日じゃない!」と二人が買い物をするのを停めるのに注力します。だって、今いろいろ購入したらそれを全て背負って歩くのは僕なんだから。

明日の移動と必要備品は全てそろった。あとは今日この日を楽しむだけだ。二人の嗅覚に従って様々なお店に入り、ボリュームたっぷりのランチを食べ、せっかくなので美術館にも足を運びます。
「幸運とは、綺麗なエリアを持つこと」犬との暮らしは日本より長いヨーロッパ。サインもポップ。
スパニッシュメキシカンのランチ。昼間だけど思わずコロナビールもセットで…。
小路を歩くと目を引く景色がたくさん。気づけるようになると、僕にとって旅スイッチオンの証。
夕食は少し散歩をして、バルで済ませることに。「bar」と書いてスペイン語で「バル」と読むのですが、簡単に言うと軽食やコーヒーからお酒まで気軽に楽しめる飲食店です。レストランよりも安く、ファストフードよりもローカル色が強く、スペインを気軽に食べて飲むお店の形態として気に入っています。
夜のバル物色ウォーク。日頃培った嗅覚を活かせるか?
この夜は地元の人で賑わっていそうなバルに潜入。バルは基本「おばんざい形式」のようなもので、ショーケースに入った食べ物から好きなものを選び、注文をします。地元の人が食べているものを見回し、美味しそうなものをギャンブル的に頼むのが楽しい。見た目と想像の味に違いがあることも楽しみ方のひとつだ。3人でグラスを合わせて乾杯!いよいよこれから始まる歩き旅に向けて家族壮行会の開催です。
どれも美味しかったけど、ムール貝の缶詰とチップスは想像と違った味…。けど、それすら面白かった。
いつもの画角で乾杯。娘が大きくなると、僕は大概ひとりで向かいの席に着く。
ほろ酔い気分で街を歩き、小さな商店でアイスと缶ビールとコーヒーを買い、部屋にもどって二次会の開催。地元の人と会話を楽しみ、文化や食に触れ、飲んで、気付けば15km以上歩いていたこの日、充分現地での身体慣らしができたようです。
ホテルへの帰路。この町(今までの経験上この国?)は老若男女夜を謳歌する。
この日の収穫のひとつのガス缶。これでボトルに温かいお湯を毎日確保できる!
寝室で翌日からの動きについて家族で作戦会議をして(だいたいふたりは聞いていない…)就寝。翌朝早朝は目星をつけておいたrenfeの駅地下にあるカフェで朝食をとり、予定通りの時刻に到着した電車に乗り車窓を眺め、変な色のグミを食べながらログローニョに向けて出発をしました。
暗がりの中光るrenfeの駅。旅心が高鳴ります。
気づくと買い物をしている娘と妻。電車用のおやつを物色。
いよいよ旅の始まり!renfeに乗り込む。
ログローニョに到着。巡礼者の印の貝をつけていよいよ出発です。
さて、ログローニョに到着した長谷部家。駅を出て最初にぶつかった壁は、「どこに向かって歩くのか?」素敵な出会いとともに始まる歩きの旅は次回「歩き旅編」に続きます。


この記事へのコメント


おこめ

素敵ですね


かぐや姫

盛りだくさんで楽しい旅だった〜
ご一緒させて頂けて感謝

やっぱりハード系のパンが多いのでしょうか
フランスパンマニアには気になるところです


ポンちゃん

家族での海外旅行良いですね!


コーヒーブレイク

最高!パンに生ハムうらやましー


むっちゃん

素敵なパン屋さんですね


ぽんで

楽しそうで何よりですね。


スッチー

素敵です。


ほな

家族一緒が最高ですね。

  • スッチー

    良いです。


hirune

贅沢なクウネルアルクですね~

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