笹藪を抜けたら、そこは天国のゆる山だっ?!

  • 2024.10.08
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残暑が厳しすぎる秋の日々、トレーニングのために外を走ればしんどいし、ジムに行けば人だらけ…。「そんな時は風が気持ちいい低山へ出かけるに限る!」という、仲間内に聞いても「そうはならないでしょ…。」といつも冷たくあしらわれる“ハセベルール”のもと車を走らせました。

左手に時速60キロで流れていく海を眺め、少し潮の香りを含んだ風を車内に取り込みながら走り、目的の玄岳(798m)登山口駐車場に到着しました。車を降りてまずは深呼吸。都心のねっとりとまとわりつくような熱い外気から変わり、まだ日差しは熱いけど風が気持ち良いところに秋の始まりを感じます。
夏からだいぶ秋っぽい空。もうこれだけで気持ち良い。
ササッと山の準備をしたら、早速玄岳山頂を目指して歩き出します。歩き始めは木が生い茂る日陰の道でここを通る風が天然エアコンの様で心地良く、おかげで歩くペースも少し上がります。森の中は少し季節が変わってきたのか、秋らしい出会いがたくさん僕の視界にやってきます。はじめに迎えてくれたのは、シカの足跡。どこからどこに向かって進んだのかが分かるほどクッキリと残っていました。
クッキリと残るシカの足跡。写真は下から上に進んでいるのが分かります。
気候の変わり目で楽しい山道のおかげでテンポ良く道を進む僕の目に、突然強烈に目立つ色が目と脳に飛び込んで来ました。絹繭のような白と、強めの赤のコントラストのキノコ「タマゴタケ」です。僕が観察しても、触っても、食べても大好きなこのキノコ。ちなみにタマゴタケはバターソテーやパスタにするともの凄く旨いのだ!
タマゴタケ成長過程その1。これが地上への生まれたて。
白い絹繭状の中からタマゴタケが出てきているところ。この時の赤が一番綺麗!
タマゴタケの完成形。カサの縁にあるラインが実に美しい。と思いませんか?
タマゴタケにひとつでも出会えただけで嬉しいのに、玉子状の形からしっかりと開いた状態まで全ての工程が周囲にあるではないですか!!もう、ハセベ的には大興奮です。トレイルにしゃがみ込む事10分くらい。汗ばんだ身体が少し冷えるくらいその場でひとりタマゴタケフェスティバルを楽しんでしまいました。

残念ながら場所的に採取をあきらめて先を進みます。樹林帯を抜けて、少しずつ伊豆の絶景が広がるポイントまで上がってきました。しばらく続く登りに少しヒートアップした身体も、吹き抜ける風が一気に冷ましてくれます。春夏秋冬チャンスがあれば登るこの山だけど、夏と秋の狭間は緑と少し薄い青空のコントラストが綺麗で最高のタイミングかもしれません。
突然現れる広大な景色に毎回息を呑んでしまいます。
この山は景色が良いのでついゆっくりを眺めて時間を過ごしてしまいます。
玄岳のトレイルの面白さは、この後もやってきます。僕が大好きな笹藪の道です。夏に数回刈られているはずの笹が見事に再起の成長を遂げて僕の胸から首くらいまで育ち、まるで笹のジャングルのようになっています。笹のおかげで足下も見えにくいので、トレイルから外れないように慎重に進まないと全然違う方向に行きかねないコンディションだ。おかげで冒険感が高まります!
笹藪ジャングルの後ろには絶景。ここが頂上までのクライマックス!
子供の頃の秘密基地作りの場所を探した時を思い出しながらザワザワ、ガサガサと笹藪をしばらく抜けていくと、ぽっかりと笹がないエリア、頂上に到着します。笹藪で感じることができなかった風をまた一気に浴びてクールダウンする瞬間は、本当に気持ち良い!秋めいた風が夏の疲れを一緒につれてながれていくようです。
せっかくなので頂上で記念写真。
まずは登頂の嬉しさが残っている内に写真を撮ったらランチタイム。今回はおにぎりとスープにしました。本当はカップラーメンBIGサイズ!といきたいところだったのですが、今回はトレーニング(とってもゆるい時間を過ごしていますが…)。罪悪感を少しでも感じなくて済むようにラーメンをワンタンスープにしておきました。お湯を注ぎ、待ち時間におにぎりを頬張る。頃合いを見て、フーフー冷ましながらスープをすする…。はい。この一連の無駄の無い流れは幸せの所作です。
頂上直下の景色はこんな感じ。伊豆の先には広い海!登山の最高のご褒美です。
今回の相棒。左から熱湯、炭酸水、冷たいお茶の三兄弟。
山でのこれ、すごく旨いんです。
ランチ後は温まった体内をクールダウンすべく炭酸を体内に注入。そして少しだけ仰向けになってうとうとします。閉じたまぶた越しに降りそそぐ太陽の光、バサバサと風に抵抗して空を舞う鳥の羽の音、身体の形に添うように抜けていく風、笹のジャングルを抜けた先には僕にとっての極楽がありました。
山での炭酸の旨さときたら…。最高以外の言葉が思い浮かびません。
あまりにも心地良すぎてもうこのままテントで泊まってしまいたくなりそうなので、僕は炭酸とお湯のボトルをバッグにしまい、お茶のボトルをバッグの横に差してモード変更。駐車場に向けて歩き始めました。

さて、秋が深まる頃にまた山に行こうかな?それとも旅をしようかな?


この記事へのコメント


ゆーだいすきかあさん

画像から 風のにおいと 太陽のまぶしさが 伝わってきた!


そやてる

とても気持ちが良さそうですね

  • 長谷部 雅一

    気温は涼しく、風も心地良く、ほんとうに気持ち良い山歩きでした!


WAKAKI19

野生のキノコも判別付かないです

  • 長谷部 雅一

    野生のキノコは確かに難しいですよね。
    僕も「絶対!」といえるものだけ楽しむようにしています。


コーヒーブレイク

いよいよ秋ですね!今年は野生動物が山を降りてきたり遭遇することも多いとか。気をつけましょう!

  • 長谷部 雅一

    秋本番ですね〜!
    まさに、個の季節は、足跡、糞、食痕、足音、鳴き声などなど、様々な要素から自然を読み取って安全に登山をしないとですね!


ガチャピン

見た目は美しい形ですが、猛毒のキノコです。絶対に手に触れない事です。危険極まりない行為は止めるべきです。

  • 長谷部 雅一

    コメントありがとうございます。
    今回のキノコはタマゴタケといって、食べられるキノコですのでご安心ください。
    確かに、タマゴタケモノキやベニテングダケなど幼体の時は間違いやすいものもありますから注意が必要ですね。


スッチー

良いです。


江戸っ子

タマゴタケ 赤いキノコ 綺麗ですね~宝石みたい。

  • 長谷部 雅一

    タマゴタケ、確かに宝石みたいですね!
    僕にはもう食材にしか見えないですが 笑


定年ゴルファー

綺麗なキノコですね!!

  • 長谷部 雅一

    そう思っていただけたなら、この記事を書いたかいがあります!
    ありがとうございます。


おこめ

いいて゛すね

  • 長谷部 雅一

    ありがとうございます!


ほな

美しいキノコは危険と教えられてきました。実際は??

  • 長谷部 雅一

    実はそんなことは無いんです。
    特にこのタマゴタケは本当に美味しいんですよ〜
    もちろん、ベニテングタケなど色鮮やかなキノコで毒性が高いものもあります。


hirune

自然満喫,カップラもできるサーモスって偉大!

  • 長谷部 雅一

    本当ですね。
    地球の裏側から裏山まで、僕にとってはなくてはならないギアのひとつです!


おじゃ

山歩き楽しそうタマゴタケ私も初めて見ました。鮮やかな赤が可愛いと思いました。

  • 長谷部 雅一

    タマゴタケ、可愛いですよね。
    成体はよく見られるのですが、ここまで成長過程を綺麗に見られるのは奇跡でした!


かぐや姫

タマゴタケって初めて見た!
面白いね〜
いつも楽しい追体験をありがとう

昔一人で丹沢縦走した思い出に浸っています

  • 長谷部 雅一

    そう言っていただけると嬉しいです!
    タマゴタケは是非実物を見ていただきたいです。
    写真よりもずっと綺麗で奇妙で美味しいキノコですよ。

    丹沢縦走、いいですね〜
    焼山、蛭ヶ岳、塔ノ岳、大倉あたりのコースでしょうか?


ポンちゃん

サーモス三兄弟は、山行の強力な助っ人ですね!

  • スッチー

    良いです。

  • 長谷部 雅一

    そうなんです。
    日帰りでしたらこの3本は僕にとって完璧です!


ぽんで

いい景色です。伊豆に行きたくなりました。

  • 長谷部 雅一

    ありがとうございます!
    伊豆はこれからの季節も最高です。
    機会がありましたら是非遊びに行ってみてください。


コレステロール

鹿なら、良いけど?
笹薮ガサガサは怖いですよ!

  • 長谷部 雅一

    ご心配ありがとうございます!
    足音の大きさでどんな生き物かが分かりますので大丈夫です〜

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