紅葉とともにおいしくなる「ごぼう」
- 2021.10.26
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ごぼうは風味も味わいも土っぽい独特なもので、ともすれば料理の邪魔になりそうなアクのある味わいなのに、入らないと料理が成立しないことの多い食材ではありませんか?
きんぴらやたたきごぼうはもちろん、豚汁、芋煮といったごぼうがなくては始まらない料理の多いこと。たたきごぼうは「おせち」には欠かせないもので、ハレの料理にも登場するのがこのごぼうです。私が作る牡蠣ごはんにも必ずささがきのごぼうをいれます。牡蠣の個性的な香りがごぼうとの相乗効果でおいしくしてくれるのです。
根もののごぼうは、秋が深まるにつれておいしくなる食材のひとつ。いよいよ旬をむかえます。
ごぼうはきんぴらぐらいと思っていたうら若きおとめの頃、三ノ宮で入った居酒屋でごぼう天(以下ごぼ天)を食べて衝撃的においしかったのを今でも憶えています。
ごぼうらしい味わいはそのままに、香ばしくバリッと揚がっていてパラリと振られた青海苔が一層香りをひきたてていました。余談ですが、ポテトチップスののり塩や磯辺揚げなど、揚げ物の香ばしさと同じぐらい香りの良い青のりは好相性ですね。
ごぼ天はビールのつまみに最高ですが、ごはんとして食べるなら絶対にうどんです!
今日はこのごぼ天をご紹介します。ポイントはひとつだけ、ピーラーで剥くことだけです。
<材料>
ごぼう | 1本 |
A | |
片栗粉 | 大さじ2 |
小麦粉 | 大さじ2 |
水 | 大さじ1と1/2〜 |
サラダ油 | 適量 |
塩、青のり | 適量 |
<作り方>
1) | ごぼうはよく洗い、長さを半分に切ったごぼうをピーラーで剥いていく。ピーラーでむけなくなったら包丁で薄切りにする。ボウルにごぼうとAを入れてよく混ぜる。 |
2) | 170度の揚げ油を準備し、1をおおよそ8等分ぐらいにして、それぞれ丸めてそっと油に入れ、ごぼうが広がればすぐに箸で丸く整え、両面がカリッとするまで揚げる。 |
3) | 網やザルに取り上げ、表面が湿気らないようにする。←これはカリカリが続くポイント |
4) | お好みの調味料でどうぞ。 |
今回、うどんには自分で採ってきたなめこがあったので、浮き足立って濃口醤油仕立てのなめこうどんにしてしまいましたが、ごぼ天には瀬戸内のいりこで取った出汁に、薄口醤油と塩で味を整えたおつゆのほうがずっとずっとおいしいと思いました。(苦笑)
皆さまはどうぞ失敗のなきように!
そういえば、漬物コーナーでみかける「ヤマゴボウ」は「モリアザミ」という植物の根っこです。古くから日本ではヤマゴボウを食べてきたこともあってか、ごぼうを食べるのが習慣になったのでしょうね。ちなみにごぼうの花はアザミによく似ていて同じキク科の植物なのですって。植物の観点から野菜を見直すとまた違う発見があって面白いですね。
蓮池 陽子 Yoko Hasuike
料理家 フードデザイナー 東京都出身。Atelier Story主宰
中央大学卒業と同時にビストロに勤務。その後料理教室で料理・製菓講師を務める。さらにアウトドア施設からの依頼をうけ、アウトドアでおいしく・楽しい料理を生み出し、伝えてきた。
自分の揚げ物のレシピが少ないので、作る際の参考になります。