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電車にも第二の人生

  • 2020.04.20
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豊岡 真澄



みなさんご無沙汰しております。豊岡真澄です。
新型コロナウィルスが蔓延する今日この頃ですがみなさんいかがお過ごしですか。
我が家は上手に引きこもりながら、事態が落ち着く日が来るのを静かに待っています。
さて。
鉄道に興味のある方はもちろんご存じだと思いますが、今回は鉄道車両の第二の人生のお話です。
みなさまもお別れイベントや、さよなら運転などで鉄道車両の引退をニュースでご存知の方も多いと思います。
車両はその路線に合わせた設計になっているので、引退後は解体されて新しい素材にリサイクルされますが、一部の車両は地方の鉄道会社で再び活躍しています。
「引退した電車には第二の人生があるんだよ」
そう教えてくださったのは、東急テクノシステムの車両工事部長、馬場さんでした。その話を聞いた長男は目がキラキラ。
例えばこの車両はね・・・
長男はもう馬場さんのお話に夢中です。
伊豆急 8000 系、上田電鉄 1000 系、伊賀鉄道200系、秩父鉄道7800系、福島交通100 0系 THE ROYAL EXPRESS は知ってるかい?
私たちの会社はね、こういった鉄道車両をもう一度生まれ変わらせる仕事をしているんですよ。
どうだい?一度見に来てみるかい?
その言葉を聞いて、もちろん長男の目はまたまたキラキラ。
夏の終わりのある日。
私たちは東急テクノシステム長津田工場にお邪魔させていただきました。
ドキドキしながら車両改造の現場を訪間。
工場の中はどんな風になっているのでしょうか
ピカピカのヘルメットと一緒にパチリ
これだけでもワクワクします。
「私は見た目が怖そうなんだけどね・・」とおっしゃるのは馬場車両工事部長
そんなことないです!子供たちはあっという間に優しく丁寧な馬場さんの虜に。
まず、はじめに東急テクノシステムはどんな仕事をしている会社なのかについて、お話ししますね。
私たちの会社は大きく分けて4つの部門があって、今日見ていただくのは電車を改造したり車両部品のメンテナンスをしている車両部の仕事の様子です。
このほかに、電車を動かすための電気の設備工事や、バスの改造や修理、運転士や信号掛が訓練するためのシミュレーターを作っています。
バスや電気設備やシミュレーターに至るまで、
本当にたくさんのお仕事があって長男もびっくりです
鉄道車両やバスは、一度は目にしたことがある車両ばかり。
営業担当の皆さんからとっても詳しいご説明をいただきました。きっとみなさんも目にされている車両もあると思います。
馬場:さて。
車両改造のお話に戻りますね。
電車の第二の人生って、大きく分けてふたつのパターンがあるんですよ。
<同じ鉄道会社の中で長く活躍するための改造>
車体更新工事と言って、簡単にいうと車両を長持ちさせるための延命工事です。
外装や内装をリニューアルしたり、新しい制御器やモーターを搭載したりして、同じ車両をより良い状態で使い続けるための改造をします。
このほか、10両編成の電車を5両に短くして、同じ会社の別の路線を走るための改造をするようなこともあります。
車体更新工事の一例
相模鉄道9000系、伊豆急行 THE ROYAL EXPRESS
写真提供:東急テクノシステム
<別の鉄道会社に車両を譲渡するための改造>
これは、引退した車両を別の鉄道会社に譲渡するために行う改造工事です。
長い編成を2両にして、必要な機器を積み直してワンマン化工事をしたり、ATSやATC をその会社さんに合わせて取り付けたりしています。
今日見ていただくのは、東急8590系を富山地方鉄道さま向けに譲渡するための改造工事です。
このほか、最近では海外の車両を改造する工事にも挑戦しています。
車体更新工事の一例
福島交通1000系、中間車を先頭車に改造しています。
写真提供:東急テクノシステム
豊岡:色々な改造があるのですね。
まさに命を吹き込むイメージがあります。
馬場さんにとって特に思い出深いエピソードはありますか。
馬場:そうですね。
どこの車両も思い入れいっぱいで、語りつくせないほどです。
特に無事現地に輸送された車両が新しい出発を迎える瞬間はジーンと来ますね。
いつだったか福島交通さまの1000系の安全祈願祭にお邪魔させていただいたのですが、こっそりと「1000系、お前ここに来れてよかったな」って思わず話しかけた ら他の人にしっかり聞かれていて「あっ!また馬場さんが電車に話しかけている!」と話題になったことがあります。
でも、その車両がここまでどんな経緯を辿ってここまでやってきたのかを思うと、つい「頑張れよ」って話しかけたくなっちゃうんですよね。
豊岡:その気持ち、とってもよくわかります。
子供たちと一緒に過ごしてきた時間みたいな感じですよね。
今まで手がけた車両の写真を見せていただきました。
こちらはお話に出てきた福島交通の1000系
馬場:そうですそうです。
一つ一つ丁寧に見ているので、やっぱり愛着がわきますね。
その後のメンテナンスに関わってゆくことも多いので、少しでも長く、元気に走り続けてもらえるようにしたいと思っています。
さて、工場に行きましょうか。
豊岡:車両を見に行ったら、また話しかけちゃいそうですね。
馬場:ですね(笑)
いよいよ工場内へ。
ここを曲がったところに8590系がいます。
いました!東急8590系。
この車両が富山地方鉄道17480形に生まれ変わります。
長男は大喜びと思ったのですが、この日は真剣そのもの。
馬場さんのお話がすごく心に繹いているみたいです。
馬場:これからこの車両が富山地方鉄道17480系に生まれ変わります。
ベースになっている東急8590系は、引退するまで10両編成で走っていましたが、富山地方鉄道に合わせて2両編成にするのが一番大きな改造です。
豊岡:すごいです!!
改造するのに難しいことはどんなものがありますか。
馬場:ただ切り離せば良いわけではないので、結構苦労があります。
床下には、空気や電気を制御するための配管や装置がたくさんついています。各車両に分散した機器を2両に集約するので、機器の再メンテナンスや重量バランス、取り付け位置などを全て新しいものにします。
また、一部は富山地方鉄道で工事を行うので、同時進行でワンマン運転に必要な機器類の準備工事も行います。
見た目は地味なのですが、これが一番苦労する場所です。
見た目はわからないのですが、床下機器の配置を全部変えています。
空気配管も、電気配線もやり直しています。
確かにボルトを見ると新品です。
車両と機器をつなぐステーも、全部新品になっていました。
豊岡:すごい!
よく見ると全部新品になっていますね。
馬場:予算もあるのでどこに手を入れるべきかは腕の見せ所です。
とにかく故障なく、安全に、長く、しっかり走ってもらう事だけを考えています。次は運転席へどうぞ。
馬場さんから「車内に入れる」と聞いた長男。
写っていませんが、このとき背筋がピーンと伸びてました(笑)
次回は運転席と機器操作、人気の中古車両とその理由、工場の様子などをお届けします。
どうぞお楽しみに
取材協カ・写真提供
東急テクノシステム株式会社・富山地方鉄道株式会社


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豊岡 真澄 Masumi Toyooka

鉄道文化人 ママ鉄 埼玉県出身。
元ホリプロアイドル。

1999年に雑誌オーディション合格をきっかけに、ホリプロからアイドルデビュー。
その後、担当マネージャーである南田裕介氏の影響で鉄道ファンとなる。
2005年に「鉄道アイドル」という新ジャンルを開拓したが、結婚を機に2008年にホリプロを退社。
現在は2児の母として子育てに奮闘中。

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この記事へのコメント

2020.05.13 13:15
豊岡さんの第二の人生。
ほな
2020.05.12 14:11
撮り鉄もよいです。
ほな
2020.04.25 11:04
鉄道人生は素晴らしい。
ほな
2020.04.21 09:46
日本の鉄道はすばらしい。
ほな
2020.04.20 22:55
鉄道車両の第2の人生(人生でいいのかな?)、そこには携わる人の思いが沢山あるんですね。
まこつ
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