親の愛情はボトルに詰めることにした

  • 2019.07.12
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先日、娘とふたりで山登りにいった。僕にとって“娘とふたりだけ”というのが大切で、ワクワクで夜眠れないくらい楽しみにしていた時間だ。
いつも冷静な反応を返してくる娘とは逆に楽しみで仕方がない僕は、山の1週間前から一緒にどうやって楽しもうかとウキウキ状態。ドライブ中に聞く曲に、持ち物に、天候チェックにと準備自体が幸せな時間です。せっかくだからお弁当も作ってあげようと思い、娘に質問してみる。
「山のお弁当は何を食べたい?パパがつくる?それとも一緒につくる?」
「うんとね、カップやきそば!」
なんともつれない一言が帰ってきた…。
甘めの卵焼きやハンバーグとご飯よりも、カップ焼きそばの方がいいというのだ!色々交渉したものの、結局僕はありったけの愛情を熱湯とともにボトルに詰めて山に向かうことになった。
当日の天気は快晴だったけど、天気図を見るかぎりでは後半ちょっ荒れそうな予感…。せっかくのチャンスだし天気がどうなっても安全に登山ができればどうでもいい!僕たちは雲行きを見ながら山を楽しむことに決定。
コンビニで買った冷たいお茶をボトルに入れ、お菓子とカップ焼きそばをバックパックに詰め込んだらさっそく登山開始。今回は東京都奥多摩にある三頭山で、沢山の草花や野鳥の声を楽しむために足を進める。
冷えたドリンクをそのままボトルに投入。こうすると冷たすぎず程よい温度で1日楽しむことができる。
水分補給は山登りにおいて重要な作業だ。こまめに飲むためには、水分補給が面倒臭くないのが大切なので、ツーアクションで飲めるボトルは重宝する。
巨木に癒され、娘が気になる草花を観察し、ちょっと多めのおやつ休憩をしながら歩く山。なんて幸せな時間なのだろう!
地球に根っこをしっかりとはっている巨木の存在は、眺めているだけで沢山のエネルギーをもらえるような気がする。
幼児の頃から杖好きの娘。今回は手元の曲がり具合がちょうどよくお気に入りらしい…。
時折見せる表情や会話の内容、そして山を歩く足取りは、年長さんの頃と比べていろいろ成長したからか幼児ではなく子供らしさを感じさせてくれた。
今どこまで歩いてきたのかを娘と一緒に確認。僕は残りのコースタイムを計算し、娘はおやつポイントを探し出す。
上りのスピードとワンステップの大きさを後ろから見て成長を感じた。
軽快に上り下りを程よいスピードで繰り替えす娘のあとを追う僕。まだまだ一緒に楽しめるようにトレーニングを続けないと…。
慎重に天候の観察を続けながら進んでいると、やはり雲行きが怪しくなってきた。僕たちは途中下山を決め、ちょっと遅めのランチを下山途中のあづま屋の中で食べることにした。
突然変わり始めた空模様。遠くから聞こえる落雷の音は、初夏の山の合図でもある。
話を聞いて納得したのは、今小学校のクラスでカップ焼きそばが美味しいという情報が流れているらしく、娘もそれを食べてみたかったのだとか。だから今回は絶対にカップ焼きそばを食べようと決めていたらしい。
娘のランチはいたってシンプルなものに…。僕の愛情はボトルの中。
はじめてのカップ焼きそばは、作る工程さえも新鮮だったようで楽しそうだ。僕は捨てるお湯をもらってインスタントスープを2人前つくった。
楽しい時間もつかの間。天候との戦いがあるのでちょっと急がす僕とゆっくりと味わいたい娘。
僕たちがランチタイムを楽しんでいると、やはり遠くの方で雷の音が鳴り始めた。そして程なく雨が降り出し、次第に小粒の氷の塊が降り出す。おそらくすぐには止まないだろうから、僕たちは走って登山口まで戻ることに決定した。
空気は冷たく変わり、雨は次第に大粒に。僕は軒下から見るこういう景色は山らしくって嫌いじゃない。
「今日は何が楽しかった?」
「カップ焼きそばと大雨!」
僕の血が確実に入っていることを実感できた楽しい一日を、運転席の隣で爆睡する娘を見ながら思うのだった。


この記事へのコメント

おこめ

素敵ですね

ネコ太郎

笑顔が素敵

ぽんで

カップ焼きそば、子供らしくていいね

ほな

お嬢さんも中学生までです。相手をしてくれるのは。

ほな

お嬢様の成長が楽しみです。

ほな

お嬢さんの健脚に感心しました。

おかめ

インスタント焼きそばのお湯でスープ、早速真似しよう。

ほな

御嬢さんの達成感の笑顔です。

ほな

娘さんの笑顔が素敵です。

ほな

弁当が見たかった。

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