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いつもは捨ててしまう、筍の茹で汁。飲んでみると、とても甘かった。

  • 2019.04.19
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蓮池 陽子



毎年この季節になると、筍の美味しさについてえんえんと語りたくなります。それほど筍が好きな私。4月10日前後から5月の半ばくらいまで、来る日も来る日も筍を食べ続けます。
母の田舎から届く筍は、茹で汁に浸かった状態で届きます。トウモロコシにも近い香りがする茹で汁を飲んでみると、とても甘くて驚きます。掘りたての筍はエグミが出ていないので、アク抜きのための米糠(ぬか)を入れず、水から茹でるだけで良いのです。余計なものが入っていないので、茹で汁を利用してお味噌汁やお吸い物を作ることができます。筍の茹で汁で作ったお味噌汁は唸るほどおいしくて、毎年驚かされます。余談ですが、ホワイトアスパラガスも剥いた皮を一緒に入れて茹でますが、こちらも皮から甘みやうまみが出るのでしょうね。
ですが、誰もが掘り立ての筍をすぐに調理できる、贅沢な環境にいるわけではありません。私もその一人です。近所のスーパーで購入する筍は、収穫からどのぐらい時間が経っているかわからないので、アク抜きのために米糠を入れて炊くことがほとんどです。米糠の入った茹で汁は捨てることを前提にしていますが、あの甘いエキスが出ていると思うと、「どうにか使えないものか……」と考えてしまいます。あるとき、冷めて米糠が底に溜まった茹で汁の上澄みを、そっとすくい出してみました。ひと口頬張ってみると、やっぱり、とても美味しい。よく考えてみれば、米糠はへしこやぬか漬けにも使うものですし、食べたとしても、体に悪いものではありません。
そこで今回、筍の茹で汁を使ったお味噌汁と筍ご飯に挑戦してみました。茹で汁に昆布を入れて、一番出しを引くときと同じ要領で鰹節も加えて濾します。これがベースです。筍の甘さと昆布と鰹のうまみが相乗効果となり、良い塩梅になりました。
筍の茹で汁を使って出しを引くなんて、驚きでしょうか。料理には長い歴史があり、作り方が決まっているものも多いと思いますが、自分の感を信じ、自分で考えて挑戦してみることも時に大切だと思います。大根の下ゆでの理由、ナスを水にさらす理由、根菜類を水から茹でる理由……。時代を経て、野菜の性質も昔とはずいぶん変わっています。これまでと同じやり方だけが良いとは限りません。時々、そんなふうに思うのです(今回の筍の茹で汁活用は、私の美味しさへの執着からはじまったものですが(笑))
もし、新鮮な筍が入手できた場合は、水だけで茹でてみてください。なんの気兼ねもなく、茹で汁まで使えますから。ぜひ一度、甘くておいしい筍の茹で汁を味わってみてください。
最後に、たけのこを茹でる時は吹きこぼれる心配のないシャトルシェフを使ってくださいね。


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蓮池 陽子 Yoko Hasuike

料理家 フードデザイナー 東京都出身。Atelier Story主宰

中央大学卒業と同時にビストロに勤務。その後料理教室で料理・製菓講師を務める。さらにアウトドア施設からの依頼をうけ、アウトドアでおいしく・楽しい料理を生み出し、伝えてきた。

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この記事へのコメント

2019.05.11 18:14
皮に泥が挟まったりしてませんかね
ちよみ
2019.05.02 13:40
タケノコは手入れが不要。
ほな
2019.05.01 14:42
美味しそう
2019.04.20 16:33
タケノコの先が柔らかくおいしいです。
ほな
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