第69話 The Party

  • 2018.12.17
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まもなくクリスマス、ですね。サンタさんを信じる子供達は、欲しいものがクリスマスプレゼントとして届くことを祈り、親御さん…じゃなくてサンタさん達は、そのプレゼントに喜んでくれることを祈る。今年はJuhla Tokyo/ユフラトーキョーから『音楽と珈琲』セットをプレゼントさせて頂きますが、このコラムが公開される頃には応募も締め切られていますね。当たった方には楽しく味わって頂けたらいいな♪


クリスマスはプレゼントだけでなく、家族で、カップルで、また大勢集まって過ごす「時間」も楽しみのひとつ。クリスマスパーティーという名の飲み会も、いろいろな場で繰り広げられることでしょう。僕も学生の頃、いわゆる合コンってやつに参加したことがあります。とはいえイケテル学生ではなかったから、ほとんど経験ないんですけどね。でもその僅かしかない経験が、驚くほど稀な出来事となったのは僕らしいかも。

あれは大学3年の頃。夏のリゾートバイトで知り合った先輩から、突然電話がありました。それは合コンのお誘いで、「3対3の6名でやるから来てくれ!」との事♪場所は新宿の、小洒落た洋風居酒屋と言った感じのお店でした。店内は結構広くて、奥の方の壁際の席に案内されました。僕は真ん中の席だったので必死に場を盛り上げながら、溢れ出る欲望や妄想を隠しつつ(隠れてないけど)、お粗末な駆け引きに燃えていました。


宴も終盤に差し掛かり、テーブルも空いたグラスやお皿でいっぱいになってきた頃、事件は起こりました。

僕の左隣に座っていた先輩とその向かい側の女の子の頭上に、突然何かが落ちてきたのです!グゥワッシャーーンンン!!という音と共にホコリが舞い上がり、テーブルの食器が割れたり倒れたりして、一瞬何が起こったのか全く分かりません。騒々しかった店内はシーンと静まり返り、店中の誰もが唖然としていました。

ホコリの中から現れたモノ、それは大きな板でした。石膏ボードのような天井の板が、二人を橋渡しするように落ちてきたのでした。幅はたぶん45cm、長さは1.5~1.8mといった大きさです。女の子側は頭で突き破るように板が折れ、テーブルに落ちて飲み物などをなぎ倒し、服が少し濡れてしまいました。先輩側は、板は折れることなく頭の上で止まっていました!ちょうど先輩の頭から女の子に向かって、滑り台のようになった状態です。「いててて。なんだよ、これ…」先輩はそう言いながら、頭上の板を両手で持ち上げていました。

店員達はもう大慌てです!幸いケガはなく、僕らは奥のVIPルームのような部屋に通されました。しばらくすると、それまで注文した分が、また最初から順に出てくるではないですか。でもお腹はいっぱいで、ほとんど飲み食いできません。さすがに皆シラケ気味。ひとまず店を出よう!という事になり、お会計カウンターに向かいました。カウンターの中では店長と思しき人がしゃがみ込んで電話していました。「…いや、ですから!天井が落ちてきてですね!!」会社の本部かどこかと話しているのでしょう、すごい剣幕です。「あのう、お会計を…」と声を掛けると、僕らに気付いた店長は即座に立ち上がり、猛烈な勢いでペコペコと頭を下げて、怒涛の謝罪。そして次の瞬間「もう、こんなものは、こうさせて頂きます!!」と言うや否や、僕らの会計伝票をビリビリに引きちぎったのでした!本日二度目の唖然です…。

その後みんなでディスコに行ったのですが(そんな時代デス)、結局盛り上がらないまま解散し、もう会う事もありませんでした。こんな有り得ないパーティーの想い出話…失礼しました。皆様、楽しいクリスマスを♪えっ?話にオチがないって?いえいえ、オチていますよ、天井がね(笑)


この記事へのコメント

ほな

キレイです。

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