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鷲の峰の山で羽を伸ばす

  • 2018.05.17
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長谷部 雅一



先日、鳥取県にある鷲峰山(じゅうぼうさん)を登ってきた。この山は920mほどの山で、地元の人もあまり登らない山なのだが、実は知る人ぞ知る面白い山だと聞いて行ってきたのだ。

この山の特徴的なのは山そのものの形で、山の峰を見ると鷲が羽を広げた形に似ていることからそう名付けられたそうだ。実際に登る前に山の外観を眺めてみると、まさに鷲が翼を広げたような姿をしていて1,000m未満の山なのにその姿は雄大で力強さを感じる。

奥に見える山が鷲峰山。まさに羽を広げた鷲のようだ。
登ったのは4月の下旬なので、まだ春真っ盛り。車を止めてから登山口へ向けて川岸の民家沿いを歩くと、淡いピンクの桜が並び、足下には花見酒には最高の“おつまみ”達が生えていた。このままおつまみ達を摘んで天ぷらにでもしながら一杯いきたいところだが、今日は気持ちを抑えて一路鷲峰山を味わいに足を進めた。

桜満開のトレイルへ続く道。
こういう風景は旅情と登山欲をかきたてられる。

道ばたには「ノビル」が一面にはえていた。
生唾を飲み込みながら足早に通り過ぎる…。
トレイルは表情豊かで、とある百名山よりずっと面白い気がした。苔むした森を抜け、間違いなく意地悪だと思いたくなるほど急登が続いたりする。何よりも途中突然素晴らしいブナの森に出会えるのもこの山の特筆すべき素晴らしいところのような気がする。そうなると、ブナの実がたんまりと実るだろう秋にまたこの森を歩きたくなってしまう。

トレイルは中国自然歩道にもなっているので、
比較的わかりやすいサインがちゃんとある。

中国自然歩道のマーク。
愛嬌があるこのカエルを見ると昔からなぜか癒された。

トレイルで野イチゴも発見。
食べ頃は6月頃かな?季節を通してこのトレイルは楽しめそうだ。

天気に恵まれたせいもあるが、人の気配がしばらく無いこの苔むした道は
なんだか神々しく感じられた。
あまり人が入っていないというこの鷲峰山。何よりも素晴らしいのが、登山渋滞がなく、自分のペースでじっくり自然を味わいながら歩けるのが幸せだ。よくあるのが、どんどん自分が抜かされて「ペースが遅いのかな?」とか、目の前の登山者が集団で道をふさいでのろのろ歩きをしてなかなか抜かせないなど、人由来のストレスがないのは何よりも登山が楽しくなる要素だ。

この道は神々しくて気持ちいなあ〜。
と思った矢先になんとなく目が合った古木の表情はおどろおどろしかった。

ボーッと歩いていたら通り過ぎてしまいそうなくらい遠慮がちにある
三角点。 こういう感じは嫌いじゃないのだ。

時々現れる心臓破りの急登には参った…。
山野草(おつまみ)が目に入るも手が出せないまま後ろ髪がむしり取れるんじゃないかというほど引かれながら下山した僕は、鳥取の宿にチェックイン後すぐさま風呂に入って夜の街に繰り出した。

目的は春の地物の山野草をつまみにビールで一杯という幸せな時間を過ごすため。心地よく疲れたからだ、日差しで暖められた皮膚、風呂の後の喉の渇き全てが山野草を美味しくしてくれるエッセンスになったのだった。

山野草の天ぷらは、コシアブラにタラにと山で出会ったおつまみ達と同じものがたくさん盛られていた。
幸せだったなあ〜。
鷲峰山は、まさしく僕は羽をゆっくりと伸ばして休める事ができた素晴らしい山だったなあ。
さて、次はどこへ行こうか?


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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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