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第50話 古い田んぼの陽だまりのように

  • 2018.02.26
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黒田 悟志



流行りモノにはあまり関心を寄せない方ですが、今回は見事に乗ってしまった、、、この冬一番の流行りモノ、インフルエンザで寝込んでしまいました。大人になってから罹った記憶がないので、たぶん子供の頃以来かと思います。おかげでイベントや販売の仕事はもちろん、数年ぶりのゲレンデ旅行の予定も全てキャンセルでした。実は寝込む数日前に、年下の知人女性が急逝するという衝撃的な出来事もあって、かなり弱っていたのかもしれません。インフルエンザが治った今も心身共に調子の上がらない日々が続いています。サーモスの担当者にも諸々ご迷惑をお掛けしたりして、ホントにどうしたものか、、、。
そんな病み上がりの去る2月17日に、前回の続きであるネット配信のライブセミナーがあり、カラ元気を振り絞って二度目のゲスト出演を果たしました!今回のテーマは「ドリップの渦巻き理論」。何だか凄そうなタイトルですが、たまたま前回の放送で「渦巻き理論」なんて口走ったのがそのまま使われちゃっただけで、要は螺旋を描くようにお湯を注ぐって話です。前回のテーマだった「レシピ」の話もこの「渦巻き」の話も、そのままだとちょっと捉えどころのない小難しい感じがしますね。まあ実際そうだから仕方ないか。

ちょっとおかしな話かもしれませんが、コーヒーを美味しくドリップするということは、レーシングカーでサーキットを一番速く走ることと同じだと思っています。「レシピ」も「渦巻き」も、僕の中ではサーキットを走るためのポイントと同じです。

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たとえば最速タイムで走らなきゃならないとして、まず最初に考えるのは「どんな車で走ろうか?」ですよね。走らせる車の性能を考えること。排気量何ccのエンジンを用い、何馬力出るようにチューニングして、最高時速何km/h出る車で走ったらベストか?そんなスペック=数値を考えること。それが「レシピの考え方」に当たります。どんな風にセッティングしたら味わいは最大化するか?という意味です。

そして次に必要なのが、そんな車を上手に走らせる運転技術=コントロール。それが「渦巻き理論」に当たります。用意したコーヒーからいかに味わいを引き出すか、そのお湯のライン取りとでもいいましょうか。
何かに挑んで結果を出そうとする時、そこには二つの能力が必要だと思います。ひとつは「それ自体の性能(spec)」という意味の能力と、もうひとつは「その性能を引き出す技量(ability)」という能力。日本語で言う『能力』にはそんな二つの意味があると思います。

冬季オリンピックも大いに盛り上がりましたが、これもまさにそんなことが当てはまる世界ですよね。鍛え上げられた究極の身体や道具を用いて最高の結果を出すには、その「性能を最大限に引き出す」というもう一つの性能があって、初めて成し遂げられるように思うのです。

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ずーっとコーヒーのことを考えていると、他の物事が持つ世界観と「共通する何か」がそこにある、そう感じる瞬間があります。物事は全部どこかで繋がっていて、見えているのはその枝葉の先のような感覚です。その根底にあるのは、まるで古い田んぼさえも暖かく照らし続ける陽射しのような究極の真理、、、とか言ったら言い過ぎだけど。

自分がどこを目指しているのか、どこに辿り着きたいのか、何だかよく分かりませんが、命ある限りその源流を臨んで、ひとつひとつ歩み続けようと思います。全然力不足かもしれないけれど、願わくば、千の風になってしまった知人女性の分も、ね。


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黒田 悟志 Satoshi Kuroda

Day Drip Company 代表

スペシャルティコーヒーと呼ばれる良質なコーヒーの世界。その魅力を伝える為に、勤めていた自家焙煎店から独立し、独自のブランド【Day Drip Coffee】を立ち上げました。

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この記事へのコメント

2018.03.04 18:01
インフルエンザはA ですか、B ですか、医療が追い付かないです。
ほな
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