第49話 コーヒーレシピ

  • 2018.02.05
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パンダのつもりがややタヌキ似
記録的な大雪に見舞われた東京では、翌朝さまざまな形の雪だるまが、まるで多様性の意義でもアピールするかのごとく、所々に作られていました。
楽しめるうちは良いけれど、これを書いている今も氷に変わった塊が、通りの路肩や日陰に結構残っています。 自転車で走ると結構怖いのだけど、しばらく溶けそうにありません。居座り続ける寒波のせいですね。 天気予報で「カンパ襲来」と連呼されるたび、自転車が趣味の一部の人達はちょっと胸がトキメいたりするのですが、今回はそんなマニアックな話をしたいのではなく、前回取り上げたインターネット生放送のライブセミナー顛末記を。
あ、どっちもマニアックか…。

話のきっかけは前回にゆだねるとして、さて放送当日。
必要な道具をリュックに背負った僕は、スタジオ代わりとなる自家焙煎店カフェテナンゴを目指し、まだところどころ雪が残る夜道を走りました。 店に着くと店主の栢沼(かやぬま)さんはカメラやPCのセッティングを始めていました。 僕は勝手に持ってきたDay Drip Coffeeの看板を背景に吊り下げたり、フリップに今日のテーマを書いたりしながら、放送開始を待ちます。



カフェテナンゴの店内から放送しています

21時ジャスト。特にオープニングテーマもBGMも無いので、ライブセミナーは唐突に始まりました。
栢沼さんにとっては毎月やっている事ですが、僕は全くの初体験。少なからず緊張感に包まれます。

今日のテーマは『コーヒーレシピの考え方』。「コーヒーレシピ」ってちょっと聞き慣れないと思います。僕も普段は「淹れ方」と表現していますし。でも考えてみれば焼いたり、切ったり、湯通しして作るし、その加減で味わいが変わるという意味では料理と一緒!だから「レシピ」なんですね。そして味の好みは人それぞれなので、好みに近付けていくほどレシピもそれぞれの形になっていく、と。 今回は僕と栢沼さんのレシピを披露しつつドリップし、その違いやレシピを組み立てる方法論のようなお話しをしました。

まずは僕からドリップです。ドキドキ…。
いつも見知らぬ人達を前に実演販売でドリップしているのに、なぜカメラ1台だと緊張するのか…何とか上手くドリップします。
そして栢沼さんもドリップ。さすが手慣れたもんです。僕は粉15gで200cc抽出、栢沼さんは13gで160cc抽出、湯温は二人とも90℃。
ここまでは同じ印象になる同一線上の比率です。唯一の違いはメッシュ=粉の細かさで、僕の方が1目盛細かいだけでした。
…しかし、このネタも細かいな。で、味ですが…僅かに栢沼さんの方がクリアで酸のある感じ、僕の方はコクのある印象でした。



カメラ見て話すのって難しいです。芸能人ってすごい

淹れ方披露の後は淹れ方談義。レシピを組み立てる考え方やポイントをあーだこーだと解説していきました。 詳しい話はドン引きされるので遠慮しときますが(もう手遅れか?)、でも話は尽きず、どうしても解説したかった「注湯のコントロール」については、なんと次回のテーマとしてその場で決定となりました。 はい、来月も登場します。良かったら見てね♪



飲んで話して。でも一応抑え気味デス(笑)

仕事柄、いろんな人のレシピを見聞きするようにしていますが、その時一番大切にしていることがあります。
それは自分とは異なるその淹れ方を「リスペクトする」こと。どんな味わいを作るためにどんなやり方を用いるのか、それを尊重しています。
“違い”は多くの可能性を秘めています。“違い”は面白く、そして美しい。それが新しい景色をもたらしてくれるのだと思っています。

街中に現れたいろんな形の雪だるまは、どれもが多くの笑顔や歓びをもたらしてくれたことでしょう。
形は様々でも、そこに秘められた共通の何かがあります。そんな何かを大切にしたいですね。


未来を見つめるペンギン、的な感じ。翌日昼には壊れてましたが。



この記事へのコメント

はる

ハンドドリップのコーヒーの淹れ方、私も日々勉強中です。違いは面白く、美しいという言葉が響きました。私のコーヒーをみつけたいです。

ほな

登山用品が活躍。

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