マウイ島で秒速の体内時計をチルアウトタイムにチューニング 家族の笑顔の裏で僕はあることを企てる ~その1~

僕の仕事には週末休みという概念がない。アウトドアの仕事をしているので当然といえば当然だ。しかしながら家族の時間は無しでいいよというわけにはいかない。これをおざなりにすると僕の未来の平和(自由にひとりで山に行くこともさえも)はまったく保証されなくなるのは目に見えているので、「1年間みんな頑張りました」ということで、家族で旅に出ることにしました。

行き先はハワイ諸島のマウイ島。ハワイなんて場所はなんとなく人だらけのギラギラした観光地のイメージがあるので僕の旅先リストにはまったく入っていないのだが、今回ばかりは家族サービスなのでなんの口も挟む権利は僕には無い。選んだ理由が娘の「はな」と同じ名前の「HANA」という町があるからという面白いこじつけは旅の行き先選定の理由として嫌いではないので成田空港を出発することになったのでした。

奥様と娘はマウイ島に到着するやいなや、まずは海に行くことを宣言されていたので僕はレンタカーの運転席に座り右側通行に苦戦しながら海岸線を走り出す。僕は日本の混雑する観光ビーチは自然をのんびり感じる気持ちになれないので毛嫌いしている。せめてもと思い、ローカルの人が日々のんびり過ごすビーチを求めてアクセルを踏んだ。

ビーチへのアプローチは、ローチェアを背負って歩く人が多かった。
まるで気ままにロングトレイルを歩く民のようだ

到着したビーチは、駐車場と1台の飲食販売トラックとトイレだけ。シャワーすら置いていないシンプルな遊び場だ。 車を止めて5分程度歩くと目の前には蒼い海が広がっていて、遠くではクジラが潮を吹いている。

小道を5分ほど歩くと、目の前には大きなビーチが広がっていた。

ビーチでは老若男女様々な人が思い思いの時間を過ごしていて、とある老夫婦はローチェアを並べて海と本を各々眺めている。 カップルは、ただひたすらボディーボードを楽しんでいた。 蒼い海辺では水着の品評会も、酒に酔いつぶれて発狂する若者も、海の家の呼び込みも、趣味に合わない大ボリュームの音楽も一切ない。 ただ自由に過ごすための州立の海洋公園が、街にある普通の公園のごとくそこにあるだけだった。

過ごし方は自由。どんな選択でもできるのは、余分な物が一切ないシンプルなビーチだからだろう。

シンプルなその海を見て、僕も少し自由な旅人の気持ちに戻ることができた。僕は山用のシートとマットを敷き、そしてランチと海遊びの準備を始める。あとは波の動きと太陽の傾きに身を任せて遊ぶだけ。きっともう永遠に商業ビーチには行けなくなるだろう身体になるがまま身をゆだねることにした。

おやつは途中で買った完熟のパパイヤ。
切ったそばから2本の手が伸びてきた…。おかげで僕が食べたのは
ほんのひと切れだ。

ランチは僕が留学中の頃からの定番。「ピーナツバター&ジャム」のパン。
超高カロリーだけど気にしないのが美味しく食べるコツ。
誰もいない、自然の音しか聞こえないスペースにツェルトを設営。

満足げに遊ぶおふたり。満足値をどんどん高めて、絶対に
トレイルを歩く権利を獲得するのだ!と心の中で誓う。

休憩時間は暖かい日本茶を飲みながら、近くにやってくる野鳥を眺めた。
 

ビーチには登りたくなる木がたくさん生えている。登って遊ばないわけにはいかないのが我が家の性分。

日が傾き始めたら島の反対側の海辺に車で移動して、太陽が沈むのをローカルの人に旨いと教えてもらった砂糖が強めに効いたアップルパイとホットコーヒーを少しずつ体の中にしみこませながら眺める。暗くなったらホップの効いた濃いビールを流し込むために宿の方へ車をまた走らせ始めた…。

沈む太陽をながめながら家族で過ごす時間。こんな時間を忘れてたなとちょっと反省させられた。

帰りの車で彼女たちは満足げな寝顔をしている。ぼくは「さて、どうやって川遊びとトレイル歩きの方に持って行くかな?」と思考を巡らせながら夜のマウイ島でアクセルを踏む。悪巧みをしている顔はバレずにビーチ初日は終わろうとしているのであった。

次回は僕が行きたかったトレイルや川の話をさせていただきたいなと思っています。



この記事へのコメント

ほな

海の家もないんだ。

ほな

自然がいっぱい。二酸化炭素の心配がない。

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