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雪山登山でごろ寝と浄化

  • 2018.01.12
  • 1894
  • 3

長谷部 雅一



雪山の季節がやってきた。この季節になると、どうしても「雪山の厳しい環境に身を置きたくてウズウズしてくる病」が発症してしまう。僕はまだ誰も踏んだ跡がない場所を求めて、ピッケル、アイゼンなど必要な道具を車の荷室に投げ入れて谷川岳に向けてアクセルを踏み出した。

スタート地点では、皆思い思いのスタイルで自然を楽しむスタンバイをしている。
始発のロープウェーに乗って登山口まで到着すると、同乗者のお客さんは素早くスノーボード、スキー、登山の準備を開始し始めている。僕も天気図の最終チェックをしてから負けじと慌てて準備を開始してトレイルに足を踏み入れ始める。

ラッセルはものすごく大変だけど、まだ足跡の無い綺麗な雪面を登るのは自由を存分に感じられる。
積雪は思いのほか良く、深いところで1.5mほど。まだ道が無い新雪をスノーシューで少しずつ踏み進めるラッセルをしながら上を目指して進む。久しぶりのラッセル作業はなまった身体にとてもしんどい。手足を使って深い雪を踏みつけて少しずつ進むのだが、1kmほど進むのに2時間くらいかかってしまった。

写真の場所で積雪はおよそ100cm。まったくうんざりする深さだけど、ちょっとニンマリ。
雪山と言えどしばらく登れば水滴が体を伝って落ちるほど汗だくになる。踏ん張ってしばらく進むと小さな平地を発見。僕は簡易テントのツェルトを張って、バーナーで雪を溶かしお湯をつくりはじめる。この作業は水からお湯を沸かすよりも時間がかかるし重労働だ。ただ、その分空からのフレッシュな水を飲める感じと、水をたくさん背負って歩かなくて済むのが最高だ。いつもよりも自由な気がする。

沸かしたお湯はボトルに詰めて、余ったのはコーヒーにしてチョコレートと共に少しずつ胃の中に流していってあげる。冷えた身体に熱いコーヒーが喉を通り、胃の中に流れ込んでいく感覚を直に感じると、生きているって強く思える気がする。

誰もいない、自然の音しか聞こえないスペースにツェルトを設営。
 

雪から少しずつお湯を作る。
大変な分、このお湯で飲むコーヒーはいつもの数十倍旨いのだ。
僕は、素晴らしい快晴の合間に時々おそってくる強風、そしてじっとしていると冷え込んでくる身体の感覚を味わいながらツェルトの中でしばらくごろ寝すことにした。そしてそれに満足したら、また山を歩き始める。

森林限界ギリギリまで、僕の選んだ道の先客はウサギだけだったのが
足跡でわかる。

雪山ではなぜかこのチョコレートが食べたくなる。
食べやすいし、溶けないし、凍らないし、なによりも旨い!
雪の中に身を置いたしびれる感覚と青と白のコントラストの絶景は、僕の身体を浄化して、エネルギーをため込んでくれた気がする。またしばらく都会の厳しさにも耐えられそうだ。

眼下に広がる山々を眺めると、心の中がスーッとスッキリする。また来よう。



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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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この記事へのコメント

2018.02.04 13:45
極寒の東京でも、家の中で登山用品が役に立つ、寝袋、雨具、靴下です。
ほな
2018.01.23 17:51
草津白根山が噴火。
ほな
2018.01.15 15:24
すごい新雪。
ほな
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