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第45話 Pride of hometown(後編)

  • 2017.12.04
  • 1947
  • 5

黒田 悟志



某日午後、サーモス本社のショールームにて、例の共通の担当者も交えて小林さんへのインタビューを行った。
彼は今回の為にわざわざ半休を取って来た。 仕事として行って良いと会社から言われたそうだが、途中で仕事の電話が入って、インタビューが中断しない様にという彼の配慮であった。 着ているジャケットには局の社章がキラリと光っていた。彼のインタビューに対する本気度が垣間見えた。

まずは僕がコーヒーを淹れるところから始めた。今日の為に豆や器具を一式用意してきたのだ。 僕はドリップをしながら、サーモス製品で小林さんの一番好きなモデルを尋ねてみた。


『一番好きなのは、FFM-350ですねぇ。理由はコップが付いている所ですね。初めて買ったものですし。』
彼曰く、普通のケータイマグと比べて、飲むまでの工程の多さが魅力だと言う。 ちなみに彼はサーモス製品をサラリと型番で呼ぶ。その影響で小林さんの職場でも型番で呼び始める人が現れてきたとか(笑)
『飲むまでに普通は“開ける→飲む”の2工程ですが、これは4工程と多いんです。(工程の多い分だけ)魔法瓶と向き合う時間が長くなり、その分ホッと出来て、またアクションを楽しめる時間も長くなる。 注ぐ工程、つまりあえてコップで飲むという事に、昔ながらの魔法瓶らしさが残っているし、それがほっと一息付けるという意味で、大好きですね♪』

ほほぅ、そうきたか。筋金入りのサーモスファン。コーヒー屋の僕にとっても、コップで飲むのは香りを豊かに味わえる意味で大賛成だ。 ちなみに娘さんが使っているのはどんなモデル?
『JNO-500です。』
それも定番でなく、Afternoon Tea LIVINGオリジナルの花柄タイプとの事!


OEM品もしっかりチェックするほどの小林さんだが、そもそもサーモスとの出会いはいつ頃、どこでなのか?
『実はサーモスの新潟事業所の目の前が、私の実家だったもので…。私が言うのもナンですけど、ホントに田んぼしかない田舎です。 越後平野のコシヒカリが取れる様な所なんですが、そこにひと際大きい建屋がドーンとありまして、そこを見て育ったんですね。 そのロゴを見て…。(後に仕事でそこに)取材でお邪魔した事もあったんですけど、ステンレス製魔法瓶はここで世界で初めて作られたんですよ、と…。』


子供の頃からそこにあるのが当たり前だった「THERMOS」のロゴ。 それが水筒を作っているメーカーだとは知っていたものの、いつも目にしていた地元のその場所から、「世界初」が生み出され、世界へ向けて発信されている場所だと知った驚きや嬉しさ。 そんな想いを感じさせる言葉が次々と出てくる。
『自分の地元の田んぼしかないような所でも、世界初のステンレス製魔法瓶が作られて、(今や)そのサーモスとお仕事が出来ると言うのは、(そんな経緯があるだけに)誰よりも想い入れが強いのかもしれない…。』

小林さんの抱く「サーモス愛」。それはいわゆるマニアやオタクと表現されるものとは本質的に異なる。その根底に感じるのは「郷土の誇り」としてのサーモス。小林さんは製品ラインナップに詳しいし、サイトの更新は誰よりも早くチェックしている。その知識や情熱の源はどこまでも純粋な、サーモスへの憧れにも似た感情だ。彼にとって、サーモスとは原体験そのものなのかもしれない。


では、それほどの想いを抱く彼のサーモスライフとは、いったいどんなものなのか?…おっと、紙面(紙じゃないけど)が尽きたので、話の続きは後編の続編(?)へ!



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黒田 悟志 Satoshi Kuroda

Day Drip Company 代表

スペシャルティコーヒーと呼ばれる良質なコーヒーの世界。その魅力を伝える為に、勤めていた自家焙煎店から独立し、独自のブランド【Day Drip Coffee】を立ち上げました。

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