コラム読者の皆さま、こんにちは。今回は身内の話で大変恐縮なのですが、思うところがありまして、あえて取り上げてみたいと思います。このたび、僕の奥さんが初の個展を行うことになりました。雑誌のページを手でちぎり、それらを組み合わせて作るちぎり絵、いわゆるコラージュ作品の小さな作品展です。場所はもちろん僕のお店、Day Drip Coffee。当店は小さなお店なのですが、作品も一つひとつが小さめなので、初の個展を行うのにはちょうど良いサイズ感です。
奥さんが作品作りを始めるようになったきっかけは、2年半前のこと。一つはそれまで長年勤めてきた会社を、思い切って退職したことでしょうか。そしてもう一つは、興味はあったけれど機会がないままだった“創作活動”へ取り組み始めたことです。最初のうちは籐のカゴ作りや刺繍など、さまざまなモノを試しましたが、イラストレーターの木村タカヒロ氏が主宰するアートクラスに参加したことで、最終的に絵を描くようになりました。コラージュ作品作りはある時の課題をきっかけに生まれたもので、それが本人的にハマったと言うのが直接のきっかけです。
作品は奥さんが個人的に気になっている動物をモチーフとしています。作る対象が決まると、あとはひたすら雑誌のページをめくっていきます。色味や柄が合いそうな写真を見つけたら、手でちぎっては重ね合わせて形にしていきます。ハサミやカッターなどの道具はあまり使わず、手だけでちぎるところがポイントです。目や鳥の脚など細い部分は難しいと言っていました。でもそれが柔らかな質感を生み出し、独特の世界観というか雰囲気を醸し出していると思います。知り合いのあるデザイナーからは、作品が本人に似てると言われていました。
本人は作り始めて日が浅いことや、美大や専門学校で学んだ訳でもないことから、個展と言ってもささやかに展示だけしようと思っていたようです。でもせっかく行うのだからと、お知らせ用のDMを作ったらだんだん本格的に。DMを近隣の店舗に置いて頂いたり、作品のポストカードブックを作成したり。僕も調子に乗って、作品がラベルに印刷された限定ドリップバッグを作りました。一方で、作品を壁に固定する上手い方法がなかなか見つからず、急遽開催2日前に、僕が吊り下げ金具を自作することになったりと、準備自体は直前までドタバタでした。
身内の事ですが、ここからは少し俯瞰して眺めた時の話。若い頃からアート作品やインテリア、雑貨などが好きでインプットし続けるうちに、それが自分の中で一つのセンスとして醸成される…ここまではよくある事のように思います。でもそれがアウトプットへと変わり一歩を踏み出したのは、やはり勇気の必要なことだったと思います。でもそんな話をしていたら奥さんから「あなたと一緒よ」と。「カフェ始めたりバイクに乗ったり、やりたかったことを始めたんでしょ?」だって。恐れ入ります。
今これを書いているのは、個展開催の前日で、明日からいよいよ始まります。僕が初めて焙煎した珈琲を、見知らぬ誰かに飲んでもらった時の緊張感を少し思い出します。まあ未だに緊張するんですけど。果たしてどれだけの人が来てくれて、どんな感想を抱いてくれるのか?果たしてポストカードブックは売れるのか?ドリップバッグは??全く分かりませんが、一つ言えるのは、すでに一歩は踏み出したということ。あとは思うままに歩み続ければ、どこか素敵な場所へ辿り着けるように思います。僕がしてもらったように、今度は僕が応援する番ですね。
この記事へのコメント
ゆーだいすきかあさん
無心になれそうですね
たのしそう
やってみたいな
ガチャピン
芸術的価値が高まると推察しました。美術品として所有する事も考える余地があります。質の高い多くの作品を資産として所有するメリットを享受出来ます。細かくて素晴らしい作品があるように感じました。
定年ゴルファー
芸術的センスが全くないのでこのような作品を観ると感激です!!
おこめ
素敵です
サーモン
素敵
コレステロール
いいですね~
幸せそうで!!
コーヒーブレイク
アートとコーヒー。素敵な秋の始まり。
江戸っ子
人気の個展になるとよいですね。
かぐや姫
制作には時間もかかりそうだな〜
でも動物への愛情も伝わってくるね
ポンちゃん
ちぎり絵のコラージュ素敵です!
想像力が豊かでないとなかなか難しいですね。
芸術の秋ですねぇ~
スッチー
良いです。
ぽんで
アートって心を落ち着かせてくれますよね
はるちゃん
素敵です。作品もお二人も。
hirune
アートって身近なところからもできますね~
ほな
指先を使うのでボケません。きれいです。