“どん”より曇り。うどんとご褒美低山。

  • 2024.05.14
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「まもなく、福岡空港に到着いたします…」インフォメーションで目を覚ました僕は、シェード解除のボタンを押しました。「さて、今日は青空の下で!」っと思ったのだけど、窓の外は濃い灰色の空…。完全なる曇りでした。
窓からの景色は何も見えないし、滑走路はビショビショに濡れている。素材は全てそろいました。はい。もう、今日の予定は全て変更です。
向かった先は牧のうどん加布里本店さん。牧のうどんは糸島ではじまり、本店と近くにある製麺所で麺と出汁をつくって各店へ運んでいるため、美味しさを保てる範囲でしかお店を展開していません。つまり、九州でも一部でしか食べられないうどんなのです。
牧のうどん本店。やっとくることができました。
そんなことを書いている僕ですが、今回がはじめて。注文は紙に書かれたメニューにチェックを入れる形式。面白いのは麺を「やわ・ふつう・かた」の3つを選べること。僕は地元に住む名ガイドのアドバイスに従って、「牛肉とゴボウ天のうどん・中サイズ・ふつう」という呪文を唱え、さらにかしわごはん(鶏肉の炊き込みご飯)を注文しました。
紙と鉛筆のオーダー形式はちょっとワクワクします。
手を合わせてうどんを食べ始めて数分。牧のうどんの儀式ともいうべき“やかんの出汁”を使う時が来ました。ここの麺はよく出汁を吸うそうで、気付くとどんぶりのスープが無くなってしまいます。そこで、やかんに入った出汁をどんぶりに足していくわけです。出汁を足しては麺をすすり、麺をすすっては出汁を足す…。この作業を繰り返しながら汗だくになって食べるうどんは、もう、初めての旨さ体験でした。
ゴボウ天と牛肉のうどん。奥にはヤカンの出汁。絶対に美味しいに決まってます。
改めて湿り気が多く重たい曇り空を眺めた僕は、福岡低山縦走はまたいつかということにして、低山をひとつだけ登り行くことにしました。
「糸島の山にはご褒美がある」今回糸島の山を登りたくなった理由がこれです。単純というか、欲深いというか、でも、山上りの理由なんてそんなのでいい気がします。登ったのは立石山。標高差は200m程度で満腹感を落ち着かせるにはちょうど良い山です。
スタート地点の浜に立つと、早くも強風がお出迎え。「今日はこういう日だな、きっと…」一瞬落ちた気分はそのままに、歩みを進めてみるのが僕の旅。早速登山開始です。立石山のコースはわかりやすく、低山なのにハイキングルートの様相が次々と変わったり、冒険感があるのが楽しい。半島独特のクネクネ曲がった常緑樹を抜けると、砂粒感が強い砂岩がボコボコしえちる道に変わり、少し進むと今度は急に笹林のジャングルが現れます。振り返る度に見られる海や海岸沿いの美しい(はずの)景色は、糸島を存分に感じられます。
いきなり強風がお出迎え。春なのに肌寒いし…。
登山スタート感が高まる小さな箱。
砂岩の道はグリップが効いて歩きやすいしこの曲線群が楽しい。
砂岩の道から一気に始まるジャングル感!
遠くに見えるはローカル富士!日本中どこにでもある○○富士は見つけると少し嬉しい。
海岸線が美しい!晴れた日も見たいなあ…。
小さな頂上に到着すると、お目当てのご褒美を足元に発見。ご褒美は小さな木箱の蓋を開けてみると、木札が入っています。木札はPOPなロゴと一緒にローマ字で「TATEISHI」とハンコで押されていました。これがご褒美です。この木札は糸島の6山にあるそうで、地元のボランティア団体の方が設置してくださっています。僕も感謝の気持ちとともに1枚いただき、ポケットに入れたら下山開始。
空はイマイチでも奇岩群を歩くと無性にテンションが上がります。
これがご褒美木箱。
ひとつひとつ押されたスタンプは全て表情が違います。それだけに嬉しい。
ここからは僕のルーティーン。福岡市内にもどり、チェックインをしたら少しパソコン作業をこなします。外が暗くなり、喉が渇き、お腹が空いて生きたら街へ出かけます。酢モツで生ビールを流し込み、あとは気分に乗っておつまみを数品食べたら無事に今日という日を締めくくれます。
博多に来たら酢モツとビールで始まります。
翌朝は早めに空港に向かい、ラウンジでパソコンのキーボードをガシガシ叩いていきます。次々と飛んでいく飛行機を眺めながらの仕事は、なぜか作業場での仕事よりもはかどる気がしますが、帰りの日に限って青空が広がっているのがちょっと悔しい…。飛行機に搭乗して窓側の席に着き、九州が小さくなっていくのを眺めながらゆっくりと目を閉じました。さて、次はどこへ行こう?糸島の残りの木札も集めたいな。
はあ、この青空よ…。
空港のラウンジは仕事をするのに最高のオフィスな気がする。


この記事へのコメント


みみたろう

どんどんうどん!


ゆーだいすきかあさん

うどん やかん いいな~~


なみや

最高のルートですね。


カレンマイヨール

うどん見てるだけでも美味しそう。ごぼう天好きな私はたへたくなりました。母もかしわって良く言ってました。
母は広島(尾道)ですが 今はあまり聞かなくなったので懐かしい響きです。


おこめ

いいですね


さよちゃん

牧のうどん美味しいですよね。


かぐや姫

ご褒美木箱って素敵なアイデアだね
行ってみたいな〜
バーチャル山歩きをありがとう!


定年ゴルファー

わが県も全国二位のうどん県、うどん大好きです!

  • 長谷部 雅一

    もしかして埼玉県ですか?
    埼玉出身の僕としては埼玉うどんもかなり好きです!


はる326

消化に良さそう。

  • 長谷部 雅一

    考えていなかったですが、たしかにそうですね!
    そういった意味では山上りには最適な食事かもしれませんね。
    コメントいただいて気付いた発見です。


江戸っ子

「牧のうどん」東京にも欲しいですね。でも、地元の名物は地元で食べるのが一番ですね。おいしそう~

  • 長谷部 雅一

    僕も今回初めて食べて、あのオンリーワンな柔らかさと継ぎ足しスープの旨さは身近なところでも食べたいなって思います。


ちび

祖父母が鶏肉を「かしわ」と言っていました。なつかしい。

  • 長谷部 雅一

    「かしわ」は九州オンリーのいい方なのかな?
    僕は九州、特に福岡で始めて聞きました。
    このサウンドで食べ物が浮かぶ人は同士ですね〜


michiru15

九州にはよく行きますが、知らないことがいっぱいです!
これからも楽しみにしています。

  • 長谷部 雅一

    ありがとうございます!
    僕もまだまだ知らない事ばかりですが、長谷部的な九州レポート、またさせていただきますね!


ぴろるん

牧のうどんのかしわご飯が大好きです!!
旅行に行ったら必ず買って帰ります!!
美味しいですよね!!

  • 長谷部 雅一

    牧のうどんのかしわご飯が売っているんですか?!
    僕も探して買って帰ろうと思います!


スッチー

良いです。

  • 長谷部 雅一

    ありがとうございます!


かぐや姫

おいしい旅にご一緒できて楽しかった〜

最近は私も外でうどんを選ぶことが増えました
名物とはいかないお店でも?お腹にやさしく感じますね

  • 長谷部 雅一

    こういうコメント、本当に嬉しいです!
    ありがとうございます。
    うどんで言うと、個人的にはまったく有名ではないですが鳥取も好きです(笑)


ぽんで

食べたくなるうどんでした

  • 長谷部 雅一

    僕もまたすぐに食べたくなってしまううどんでした!
    機会がありましたら是非!


ポンちゃん

「牧のうどん」初めて聞きました。出汁をうどんがどんどん吸って美味しそうですね! ごぼう天も合いそうです。低山ですが変化に富んだアプローチと山頂からの眺めは良いですね!

  • 長谷部 雅一

    麺が汁をどんどん吸うから「追い汁」があるのが楽し美味しかったですよ。
    糸島エリアの低山は、どれも魅力的だと聴いているので、今度また挑戦しようと思っています。


コレステロール

ゴボ天!
旨そう!!

  • スッチー

    良いです。

  • 長谷部 雅一

    文句なしでうまかったです!
    次回は他もチャレンジしようと思います。

  • 長谷部 雅一

    はい。僕は関東に住んでいるのですが、衣がもっちり独特でとても美味しかったです!


コーヒーブレイク

うどん美味しそうですね。これからの季節は冷たくして食べたいです。

  • 長谷部 雅一

    うどんは美味しかったです!!
    またいく予定があるので今度は冷たいのもいただこうかな。


ほな

立派な登山道ですね。うどんもおいしそうです。

  • 長谷部 雅一

    糸島エリアの登山道はどこも整備されていて歩きやすいと聞いています。
    うどんは本当に美味しかったです!


hirune

達成感は高めですね

  • 長谷部 雅一

    幼児でも登れる山なのに、いろいろセットになったら確かに達成感高めになりました 笑

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