島風で車検をボトルとともに

2022.05.17
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アウトドアプロデューサー長谷部雅一

私事ですが、20年間所属していた会社を出て、4月に新しい会社を設立しました。社名は株式会社ビーコン。ビーコンの意味は、灯台や狼煙、目印などなど、「ここでいいんだよ！」という意味があります。

たくさんの方達の居場所を一緒に探せるような想いを込めて名前を決めました。そうはいっても、45才の挑戦はコロナ禍においてなかなかもって変な汗をかくほど緊張感があるスタートでもあります…。
（よろしければウェブサイトを見て頂けると嬉しいです。→http://www.be-con.co.jp）

20年間も走り続けると、車でいうとオイルがドロドロ、バッテリー液もほとんどなく、ブレーキパットもすり切れそうな状態です。この状態で新しい長旅に出るのはちょっと危険ですよね…。ということで、家族に「これから“いろいろ”よろしくね！」もかねて、“車検”のために宮古島に家族で行くことにしました。

家族で飛行機、早くも今度は海外に行きたいの声…。

僕の目的は、いろいろ洗い流すこと。家族の目的は、まだ夏までは遠いのにも関わらず泳いだり、島の器を買い物したりといつも通り完全にバラバラ。でも、これは長谷部家のスタイルなのでよしとします（というよりもそうせざるを得ないのですが…）。

家族で飛行機に乗るのは3年ぶりで、羽田空港から飛行機が飛び立つ瞬間は不思議な興奮がありました。沖縄で乗り換え、宮古島空港を出ると、関東とはまったく違う熱帯感がある気候が旅感を一気に高めてくれます。

窓を全開にしたレンタカーに乗り、家族全員髪の毛をワサワサ揺らしながら大声で話しをする。このまったくもって無駄というか、意味がなさそうな感じがこの上なく幸せ。車窓を流れるように過ぎ去っていくサトウキビ畑、どこまでも青い海を渡る長い橋。時々現れる「マモル君」に挨拶をしながらのドライブは単純に楽しい。

寄り道中、奥様と娘の後ろ姿を見ると、なんだか少しだけ先の未来を勝手にイメージしてしまいます。

宮古島名物のマモル君。今回の旅で9体まではご挨拶させてもらいました。

島全体を走りながら時々心地が良い場所でお散歩。自然を感じて、身体の外側が宮古島に少し馴染んできたところでお腹も宮古そばで馴染ませます。お腹の中も宮古島になったところで、まずはひとつめの目的、海遊びに出発。

宮古そば。ソーキと麺とスープ全てがたまらない！また食べたいなあ。

思ったよりも人がいるビーチでただただ泳いで、貝や珊瑚を眺める時間。まったく意図していませんでしたが僕にとっては大切だったようで、何かが洗い流され、そして染み込んでくる感覚がありました。
海に入って、そしてビーチで休憩をして、ただ繰り返す内に夕方になっていく贅沢さ。そしてキンキンに冷えたさんぴん茶のおいしいこと！

久しぶりの海。コロナでほぼ行かなかったので、家族全員大解放。

ただ波に揺られているだけなのに、そのリズムが僕の悪い癖や今まで失敗してきた事を思い出させてくれる。普通ならこれはネガティブな要素なのに、僕には前に進むためのステップになってくれたような気がします。そして、散々遊んだあとで眺めるサンセットは静かなのに、僕の心は逆にグングンやる気が高まってくる不思議な感覚が心の中にありました。

しばらくバタバタしていたので、ゆっくりサンセットを眺めることを忘れていました。

夜はオリオンビールに島のごはん。そして夜中の海辺散策。日が昇ったらまた海に入り、そして奥様の食器の買い物を2時間待ち、さらに地産地消のお店で1時間半待ち…と、これを数日繰り返すという、とにかく待ちの時間が長く、山歩きもキャンプもなかった旅ですが、きっとこんな時間も必要なんだろうな。改めて新しいスタートの心構えができた旅になりました。