第134話 ミルの先にあるもの

  • 2021.08.26
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皆さん、お元気ですか?思うように身動きのとれない日々が続きますね。人によるとは思いますが、依然として自由にどこでも出掛けられる訳ではないし、自宅で過ごす時間も長いのではないでしょうか。つい気分が沈みがちなウチ時間を少しでも楽しく、ワクワク出来るように工夫したいものです。コーヒー屋の僕からオススメ出来ることっていろいろあるのですが、もしあなたがコーヒーは自宅で淹れているけれど、豆を挽く道具を持っていないのなら、一番のオススメはコーヒー豆を挽く道具“コーヒーミル”を手に入れることです!
ドリッパー・ドリップケトル・コーヒーミルがコーヒーの三種の神器
コーヒーミル最大のメリット、それは挽きたての美味しさがいつでも味わえる事です。美味しいコーヒーの条件として「焼き立て」「挽き立て」「淹れ立て」の“3タテ”が揃った時と言われています。コーヒー粉を買ってきた直後しか味わえなかった挽きたての美味しさは、ミルがあればいつでもあなたの物です!当たり前のようだけどこれはホントに重要で、どんなに高品質のコーヒーでも粉に挽いたら香味はあっという間に失われ、酸化が進んで嫌な味へと変わっていってしまうからです。粉の状態で3日しか経ってなくても、豆のまま3週間保存したものといい勝負だったりします。
コーヒー豆の保存は密封が基本。高温多湿と直射日光を避けて。
こんな風にコーヒーミルは豊かな味わいを手に入れることが出来ます。でもいろいろな種類があってどれを選べば良いかイマイチ分からないですよね。そこでコーヒーミルのタイプと、それぞれの特徴をご紹介しましょう。ミルは大別して「電動式」と「手動式」の2種類に分けられます。価格と性能のバランスで見たら、一般的には手動式で充分だと思います(1回に2杯分くらい、1日1~2回程度の場合)。もし1回あたりの杯数や1日あたりの回数がもっと多い場合は、電動式を考えても良いと思います。ただし電動式はモノによって性能や価格の幅が大きく、自分の条件に合う物をちゃんと見極める必要があります。手動式は幅が小さいのでどれを選んでも失敗は少ないと言えます。
コーヒーミル大集合。他にもあるけれど代表選手で。
・手動式の特徴
9割以上のモノが同じ基本構造です。中央のシャフトの先に山型の回転刃、周囲に固定刃があり、その隙間で細かくします。最近はセラミック刃のタイプが増えて性能も上がり、水洗いも出来たりして使い易いです。旧来の刃は鋳物で錆びるため、ミルの水洗いは厳禁でした。でもレトロな雰囲気を持つ木製ボディは味わい深く、ミルと言えばその形をイメージすると思います。一部の超高性能&高価格タイプを除けば、さほど性能に差は無いと思うので、手にした時に一番気分の上がるモノを選ぶのが結果的に正解だと思います。極論ですが。
手動式。右がセラミック刃、左が鉄刃。挽き目はそんなに違わないです。
・電動式の特徴
①プロペラ式、②手動式と同じ方式、③ウス式の3タイプに分かれます。性能も価格も①<②<③と極端に上がっていきます。①プロペラ式はとても安価でコンパクトですが、味わいは手動式より落ちます。逆に③ウス式は高価でちょっと場所もとりますが、それ以上の感動を与えてくれます。初めて買った時に手動式との比較実験を行ったのですが、時間の経った豆にも関わらず、蒸らしのためにお湯を落とした瞬間の泡と膨らみの強さはホントに衝撃的で、一生忘れることが出来ません。ミルの違いで豆のポテンシャルをここまで引き出せるものなのかと思い知った瞬間でした。
電動式。右の臼式が均一なのに比べ、左のプロペラ式は挽き目が揃わず微粉も多い。
厳密に言えば更にここから、個々人それぞれのスタイルに合う絞り込みとなるのですが、この先はコンサルティングの域でコラムでは伝えきれず。機会があればいつか直接お話しさせてください(笑) コーヒーはお湯をかければ出来ちゃう簡単なものです。でもやり方次第では、同じ豆でも驚くほど美味しく淹れることも出来たりします。そこには今日紹介した器材のスペック以外に、淹れ方のテクニック、豆のポテンシャルという要素も絡み合う複雑で深遠な世界でもあります。是非この機会に『コーヒーを楽しもう』という想いと共に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
営業中でも時々自分の為にドリップしたりします。贅沢な時間です。


この記事へのコメント

そらてり

コーヒー時間が楽しくなりそう!

江戸っ子

コーヒーに知識が豊富な方がご自分のために入れたコーヒーは、自分好みのコーヒーにできるってことですよね~羨ましい限りです。

なおたぐ

ミル素敵ですね!

ほな

手動式がかっこいい。

だあきち

かわいいマグカップです(^^)

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