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雪のテーブルで温かいティータイム

  • 2020.03.18
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長谷部 雅一



暖冬もあってなかなか雪の世界を堪能できなかった今年の冬。僕は天気図を睨み、隙間を狙って慌ただしく動き出した。車に家族と備品を乗せ、残雪を求めて水上の奥へ車を走らせた。目的はスノーシューハイクとピクニック。バックカントリースキーやアイスクライミングといったハードな内容は一切無しのゆるい自然遊びの1日を求める日帰りの旅がスタートだ!
前夜の準備はひとりの時間。何を持って行って家族とどんな時間を過ごすか?これを想像するのが楽しい。
途中で朝ご飯を食べ、コーヒーを飲みつつ眠い目を擦ってアクセルを踏むこと3時間。到着したフィールドは、予想通りたっぷりと雪が積もっていた。もうこれだけで心が弾んでしまう!幸せな時間は約束されたようなものだ。
「犬は喜び庭かけまわり…」はウソではないようで、我が家の犬も全身を白くしながら雪原を駆けまわる。
スノーシューを履いて、さっそく雪の森の中へ出発。普段は山登りのサブルートになっているため決められた道を歩くのがルールとなっている場所だけど、100cm程度積もった雪のおかげで小川も笹藪も足の下になっているためどこでも歩き放題だ。雪の大地は自由!これが雪のフィールドの醍醐味なのだ。我が家の犬「くま」は森を自由に駆けまわり、娘は雪深い場所を見つけては自分の型を雪原にスタンプしていく。
子どもの七不思議のひとつが、同じ遊びを永遠に続けること。僕は10回程度付き合ったけどギブアップ。
雪原に残る足跡。おそらくネズミの類いで、しっぽを引きずった後がなんとも言えない可愛さだ。
好きな方向へ思いのままに進んだ先に、ちょっとした広場を発見。日当たりは良好だし、風も木々がよけてくれて強くない。ここを僕たちの拠点に設定して、まずは場づくりを始める。ハンモックを張り、雪を掘り”ちゃぶ台”をつくる。これができればティータイムのスタート。
妻いわく、「この時間がたまらない!」とのこと。そりゃそうだ!僕もそうしていたいのに今回は順番が回ってくることは無かった…。
妻はハンモックに横になり、空を舞う雪を眺めながらコーヒータイムを楽しんでいる様子。娘は少し考えた後、突然ニヤッとしたかと思ったら雪のちゃぶ台にズボズボとボトルやマグを差し込みはじめた。
「これなら倒れないからいい考えでしょ!」
自信満々の笑顔をこちらに向けてくれる。真空断熱で外からの冷気は一切関係ないアイテムだから、確かにこの考えはありかもしれない。
子どもならではの摩訶不思議な食べ合わせのスナックタイムを楽しむ娘を横目に、僕は湯気立つ暖かいカフェオレをすすりながら時々冷気も吸い込み腹の中に混ぜ込む。吐き出す息は、ここ数ヶ月の疲れも一緒に出て行ってくれる気分だ。
娘がセッティングしたお茶セット。全てをズボッと雪に埋めたら完成。
子どもの七不思議その2。どうして不思議な組み合わせで食べ物を食べるのだろう?…といいつつ、僕も昔やっていたなあ。
超急斜面のソリを楽しんだ後、日が傾くよりもずっと早めに引き上げた僕たちは地元で有名なランチを食べて、冷えた体を外からも温めるために温泉施設に寄り道することに。僕と妻は久しぶりの温泉にうっとり。娘は建物にできていた“つらら”にうっとり。施設で大好きなソフトクリームを食べなかった理由はここにあったらしい。チュルチュルと美味しそうにつららを舐めてる。
帰りは道路を通ってショートカット。備品を文句ひとついわずに運ぶ姿を見て、娘の成長を感じる(涙)
ランチのソースカツ丼。これで体の中がジワッと温まった。
仲間に教えてもらった温泉施設は、もう心も解けるほど気持ちよかった。
「これが美味しいんだよね〜」と嬉しそうにつららを食べる娘。
さっきまでの家族一緒の幸せな時間はあっという間に消え去った。帰りの車の中は寝息以外聞こえないひとり運転で帰路へ向かう。まあ、これもひとりじゃないかな。寝息と時々出てくる要望はいつもより心地よいBGMだったかもしれない。


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長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

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この記事へのコメント

2020.05.03 11:13
お子さんは記憶に残ります。
ほな
2020.03.18 14:12
家族サービスが満点です。
ほな
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