1. ホーム
  2. T's コラム
  3. 九州の山と居酒屋をふらり…な旅

九州の山と居酒屋をふらり…な旅

  • 2019.11.15
  • 235
  • 1

長谷部 雅一



九州の屋根といわれている九重連山は、山好きなら絶対に登るべきルートがたくさんある。できればその美しくも荒々しい山達をじっくり縦走したいところだが、なかなかそうもいかないのが日本の社会人の辛いところ…。今回は九重の小さな自然を短い時間で堪能するべく、慌ただしく飛行機に乗った。
今回、僕は九重周辺でも登りやすい山「指山(ゆびやま)」とタデ原湿原を散策して来た。目的はもちろん、ほどよい運動の後の“一杯”だ。自然豊かなエリアには当然旨い酒とつまみがあるのが日本の素晴らしいところ。これをセットにしないなんて日本の山を余すことなく楽しむのは難しい。
車を走らせるだけで気持ちが高揚するやまなみハイウェイ。
今回のトレイルヘッド。ここのビジターセンターでは湿原をしっかり学べる要素がたくさんあり、歩く前の学習には最適だった。
熊本空港からはレンタカーを借りて、素晴らしい景色を望みながら走れるやまなみハイウェイをゆっくりと進む。青空に360度絶景となれば、否が応でも心が沸き立ってくる。この景色と天気は僕に今日の素晴らしい山行と夜を約束してくれるようなものだろう。
歩いてすぐに空は不機嫌そうなそぶりを見せ始めた…。
タデ原湿原に着く頃にはなぜか空はどんより重い灰色に変わり、そしてうっすらと霧状の水が空を舞い始める…。「これも自然さ!」なんて自分を無理やりポジティブにしながらさっそく散策を開始する。
球体が美しいヒゴタイ。絶滅危惧種にも認定されている貴重な湿地の植物にも出会えた。
タデ原湿原はラムサール条約という国際条約のもと守られている。簡単にいうと、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地だということ。水鳥を食物連鎖の頂点とした生態系がこの湿地にはあるのだ。
あいにくの天気になってしまったが、心の中までどんよりしている場合じゃない。湿地はみずみずしい空気に囲まれて気持ちよく、木道を進むと時々見られる動物の跡や、珍しい植物にもたくさん出会うことができた。
指山への道のりは、草木が生い茂って進むのにワクワクする楽しさがあった。
そして指山登山では、あまり人が歩いていないルートなのか植物が生い茂りなかなかのアドベンチャー感を味わえた。霧状の水分が空気中を舞ってくれるおかげで見られるミクロの世界も堪能することができた。天気が良ければ遠い景色を、天気が悪いと近くの自然を楽しめるのが山のいいところだ。
指山の山頂!と喜びたかったのに、周囲は薄雲に覆われていた…。
こういった日にしか出会えないのがミクロの美しい世界。今回はコケの水玉をじっくり楽しみながら歩くことができた。
コース自体は短いけど、山の標高は1400m以上とあってさすがに身体も冷えてくる。山専用ボトルから甘い紅茶をコップに注ぎ流し込んだら一気に下山開始だ。湿原エリアに戻ると天気も一気に回復し(なんでいつもそうなんだ??)、山並みが姿を現し始めた。
下山後ビジターセンターで九州限定の山雑誌を発見!内容もローカルならではの充実度ですばらしかったので思わず帰り際に街で購入してしまった。
終わりよければ全て良し!と心に言い聞かせながらまた美しい山並みハイウェイを走りいざ街へ。
また気持ちよい空と山並みを堪能しながら車のアクセルを踏み、熊本市内に向かって進んだ。ホテルにチェックインしたあとはさっそく夜のハイキングをスタートさせる。今日も山で開かれた五感を活かしてビビッと来たお店の引き戸を引いて中に入る。
入った居酒屋は大当たり。ずらりと並ぶ安くて旨いメニューに目移りしてしまう。
ウェルカムな感じでもなく、でも初めての人はお断りという感じでもない。大きな話し声で会話を楽しむ小グループと一人カウンターで小さくゆっくり揺られながら飲む人たちが入り交じった自由な空気感。焼き物の香りと熱気も悪くない。今日も大当たりを引いたようだ。
お会計方法は目の前のお椀にお金を入れておき、注文事にお店の人が勝手に精算をしてくれる方式。無くなれば「お客さん、お金が足りません」と教えてくれる。
周りのお客さんとお店の人におすすめされるがままに杯を重ねたらいつのまにかヘロヘロになってしまう。これもまた旅の面白さだ。
生ビールから地酒に焼酎を楽しみ、それに合わせて周りのお客さんが進めてくれるおつまみを注文しながら美味しい時間を過ごすことができた。
帰りは宿まで路面電車に揺られて帰る。電車か自分かどちらが揺られているのかわからない帰り道。
路面電車の床は継ぎ接ぎだらけ。大切に乗られている市民の足だ。
自然も飲み屋も実に五感を刺激された1日。次はどこへ行こうかな?


  • ツイート
  • シェア
  • はてぶ

#

長谷部 雅一 Masakazu Hasebe

アウトドアプロデューサー / ネイチャーインタープリター

1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。有限会社ビーネイチャー取締役
2000年から2001年の世紀をまたぐ時期に丸一年をかけての世界一周の旅をする。

  (続きをみる)


この記事へのコメント

2019.11.25 18:32
スローフードで羨ましいです。
ほな
2019.11.16 20:43
ヒゴタイはめずらしいです。カメラもばっちり。
ほな
ニックネーム:
※投稿時にこちらの名前が表示されます。
※このページにて新たに設定された場合、マイページに登録されているニックネームが変更されます。

オススメコンテンツ