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春、わさびの美味しさに酔いしれる

  • 2021.05.25
  • 295
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蓮池 陽子



春一番、私達の食卓に春の香りを運んでくれる山菜はふきのとうですが、その後すぐに旬を迎えるのは花わさびです。
天然のわさびがある沢に降りると、一面白い花に覆われています。毎年のようにこの沢に降りるたびに「秘密の花園」という言葉がよぎります。わさびはきれいな水が常に流れ込むところに生息しますので、ワサビの生産もそういう環境を作っているわけです。天然でこのような環境があるのはごく一部に限られた貴重な場所だと思います。常に淀みない水がながれているので、とても清々しくて、冬中に体に溜め込んだ毒素が一気に流れていくそんな感覚すら覚えます。
旬を迎えた花わさびは、野生動物にとっても大事なのか、何度かその食べ跡を発見したことがあります。生のわさびの茎はほんのり苦味があり、わさびの香りはするものの辛味はほとんどありません。そして面白いのは茎が甘いこと。わさびって甘いんですよ!
収穫は手で行います。ポキッ、ポキッとう音を沢に響かせながらリズミカルに収穫していきます。私の師匠のときこさんは手早く、そして長さを揃えて美しく収穫していきます。
作業も所作も美しいは合理的で大事なことです。
収穫した花わさびに辛さと香りを出すためにすることがあります。
それはわさびを適度傷つけて、熱湯ではない高温でさっと加熱することなのです。
初めて処理した時は訳も分からず処理したため、風味の全く台無しになったのは、とても苦い思い出です。以下の方法は葉わさびも同様にできます。
花わさび(葉わさび)の下処理
1) 花わさびを1〜3cmぐらいでお好みの幅に切り、塩をふりかけ(浅漬けの半分ぐらい)10分ほど置いたら、ギュッギュっと揉む。(シャキシャキ感を残しつつ、細胞を壊して辛味を出す)
2) 鍋にお湯を沸かし、沸いたら水を加え80℃ぐらいにしたところにワサビを入れて10秒ほどで湯をしっかり切る。
3) タッパーなどに入れて、タッパーごと振り、さらに繊維を痛めつける。(1分ぐらい)
4) 水気を切って、蓋のしっかり閉まる瓶に入れて保存。
10分もおくと辛味が出てくると思います。
醤油漬けや、味噌漬け、わさび漬けにする場合は、それぞれ必要な調味料に漬ける。
100℃で加熱すると、辛味が飛んでしまうので気をつけてください。
ワサビの香り、辛味は揮発性なので、瓶で保存すると良いです。
これはしらすと花わさびをご飯にのせたもの。
入手しずらいものかもしれませんが、生きている間に一度は食べて欲しい味わいなので紹介させていただきました。
もし地方の産直などで出会ったら、この記事を思い出して是非試してみてほしいな。


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蓮池 陽子 Yoko Hasuike

料理家 フードデザイナー 東京都出身。Atelier Story主宰

中央大学卒業と同時にビストロに勤務。その後料理教室で料理・製菓講師を務める。さらにアウトドア施設からの依頼をうけ、アウトドアでおいしく・楽しい料理を生み出し、伝えてきた。

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この記事へのコメント

2021.05.31 14:00
季節感があって素敵ですね!
だあきち
2021.05.28 10:43
ワサビの葉や茎はピリッとした大人の味がたまりませんよね♪
おそばの付け合わせにも最適です。
産地ならではの食材なのでしょうか?
近隣のスーパーでは見かけたことがないのが残念な限りです。
江戸っ子
2021.05.28 09:47
わさび何と粋だなあ。
ほな
2021.05.27 07:06
思わず買ってしまう花わさび 手をかけると本当に美味しいですよね

丁寧なレシピありがとうございます。
今度は 酒粕のレシピもお願いします。
ゆーだいすきかあさん
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