台湾弾丸酔いどれ紀行【1】

  • 2016.07.11
  • 3582
  • 7

「飛行機に乗りたい」「ゆっくりお酒が飲みたい」という家族の要望に答えるべく、急遽台湾へ出かけることにした。
気づけば年が明けてからまともな休暇はとっていない。急な仕事のキャンセルに便乗して、ひとまず台湾往復の航空チケットを3枚購入した。

台湾の駅弁を買ってみた。
蛇腹の紙がうまく弁当をつつむ袋、弁当が動かないなかなかの
アイデア商品だ。
台湾の新幹線は日本企業が作ったもの。
社内も、表示板もなじみがある物ばかりだった。

台北の空港に着いたら、その足で新幹線に乗って台南へ。今回の目的地は台南の文化的憩いの場“花園夜市”だ。
ここの夜市は大きな敷地に衣料品から遊び場から飲食屋台までさまざまなものがひしめき合う。
走る車とバイクをかき分けて進む必要が無いので安心だ。

大きなバックパックは宿に置き、大きくなった娘を肩に乗せる。
ここ4年で僕の旅のスタイルがだいぶ変わった。

夜市に着くやいなや、娘と妻は目の色を変えて敷地内を歩き回る。 地元の人にとっても生活習慣の一部であるこの夜市。年末のアメ横のごとく人がひしめき合っているため、ちょっと目を離したら確実に3人バラバラ。もう出会えることは無くなるだろう。 自由に歩く女ふたり、あたふたする僕。なんとなく未来の家族の姿を垣間見た気がした…。

市場のつくりを把握したら、早速楽しみにしていた酔いどれタイムスタート。胃と喉を潤すために店を物色する。 市場には麺系、おでん風のお店、そして魚介系、肉系のお店と様々。

どのお店も、大きな叫び声と慌ただしく動き回る店員達で、ムシムシの気候と激しい人の熱気でエリア全体が充満している。 その空気感だけでビールを3杯は飲めてしまいそうだ。
麺に串に刺さった総菜。
これをスープで煮込んで出してくれるのがおでん風のお店のスタンダードらしい。
僕たちは、1軒目に濃厚ステーキ系の店を選び、プラスチックのお風呂で使うような椅子に腰掛けた。 世界一周の旅をしたときに覚えた最低限の中国語を駆使して苦戦しながらも注文をする。

出てきたのはステーキ定食のような物で、自分で焼いて好きなタイミングで食べるというもの。 出汁が効いた透明のスープが出てくるあたりが台湾風だ。
夜市1軒目。熱気の中で飲むビールは旨い。
水のようにスルスル胃の中に入っていった。

日本出国から怒濤の移動を繰り返し、やっと胃に入った夜市の1食目。
満腹のおなかをさすりながら上を見ると、薄明るい曇り空がいつの間にか夜空に変わっていた。
この天気、気温に左右されるというきわめて自然度が高いというのが夜市の醍醐味だろう。

夜市のエネルギーは、この国のエネルギーとイコールだ。
いろいろあるけど、幸せもたくさんある国なんだと感じた。

この記事へのコメント

おこめ

楽しそうですね

ほな

台湾は日本の玉出です。

芒果6號

台湾には『弁』という漢字がないため、『弁当』ではなく、旧字体の漢字も使って『便當』と表記されています。
日本語から逆輸入された言葉のようです。
15年前に一人でバスと電車で一周してきました。
とても懐かしい気持ちになりました。

ニックネーム

※投稿時にこちらの名前が表示されます。
※投稿にはニックネームの登録が必要です。

コメント投稿にはログイン・
ニックネームの登録が必要です